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1.都市生活学/ネットワーク行動学
概要: 国土・地域・都市における個人の生活行動の関わりとその流動について,市場,規範,法,空間のデザインといった観点から,理論的な研究を行っています.ゲーム理論や行動分析,ネットワークモデルに関する数理的なモデル研究,多量の行動データと統計手法を用いた実証研究,災害や縮退の国土・地域・都市計画を前提に,大規模数値計算やマルチスケール計算を行っています.
主な研究プロジェクト: ・基盤A ネットワーク上の交通行動を記述するためのデータ統融合理論とその応用 (代表:羽藤英二)2013年度~2017年度(予定) ・基盤A プローブ技術を援用したデータフュージョン理論による総合的交通行動調査の高度化(代表:羽藤英二)2009年度~2013年度 ・基盤A day-to-dayの動的な交通行動調査・解析システムの開発(代表:羽藤英二),2003年度~2006年度
主な研究会: ・BinN研究セミナー ・行動モデル夏の学校
防災・減災のための都市のトータルデザイン
概要:地域コミュニティにおける個人社会の浸透に伴う社会的役割の希薄化と都市の縮退が同時進行する中,災害時の避難に代表される災害時の社会システムのメカニズムデザインについて考えたい.被災時の情報集中現象を,ボーズアインシュタイン凝縮のような巨視的動学表現で記述すると共に,人はなぜ自分を犠牲にしてまで他人を助けるのかといった個人の利他的/利己的避難行動に着目し,時間-空間-リスク認知や行動選択肢と期間損失の微視的構造と避難のメカニズムを解明したいと考えている.理論をもとに現実の地域の中でフィールド調査を実施し,防災・減災のための事前復興計画や空間計画の策定や情報プラットフォームの実装を行い,社会トータルデザインを試みている.
研究成果: 1) Urata, J. and Hato, E.: Modeling Social Interactions Between Households For Evacuation Behaviors In The Devasted Areas,Europian Transport Conference,2013. 2) Urata, J. and Hato, E.: Modeling the Cooperation Network Formation Process for Evacuation Systems Design in Disaster Areas with a Focus on Japanese Megadisasters, Leadership Manage. Eng., Vol.12, pp.231-246, 2012.
主な調査対象地: 1) 尾鷲の事前復興デザインWS 2) 陸前高田の避難行動調査 3) 新居浜大水害避難行動調査
メンバー:浦田淳司,佐津川功季,伊藤創太
東京2050: マルチスケール流動解析シミュレーション
概要:様々なセンサーから収集される膨大な行動データと都市活動情報をもとに,人々の生活と行動を再現し,東京2050年の実像を明らかにしたいと考えている.センサー情報をもとに人々の生活行動ログを正規化するための理論と,膨大な生活行動選択肢とその選択結果を生成・再現・予測するためのアルゴリズム開発を試みている.こうしたモデルをもとに首都圏の膨大な流動を大規模並列計算によってシミュレートするための技術開発もあわせて行っています.
研究成果: 1) Itoh, S. and Hato, E., Combined estimation of activity generation models incorporating unobserved small trips using probe person data, Eastern Asia Society for Transportation Studies, 2013. 2) Hato, E., Development of behavioral context addressable loggers in the shell for travel-activity analysis, Transportation Research C,Vol18(1), pp.55-67, 2010.
主な適用都市: 1) 渋谷2050,東京オリンピックシミュレーション 2) 阪神高速マイクロシミュレーション 3) 神戸回遊シミュレーション
メンバー:伊藤創太,伊藤篤志,Shafique Muhammad Awais
モビリティサービスの最適化と管制システムの実装
概要:従前の都市計画や交通計画において用いられてきた需要予測手法を,離散最適化問題として再定式化した上で,都市内回遊のためのシェアサービスや物流-道路維持管理システムとしての実装することを試みています.位置データとサービスに対する個人の選好の表明や,ロジスティクスにおける車種,経路,料金の組み合わせ最適化問題に着目し,料金やポート配置,インセンティブコントロールといった様々な管制戦略について,サービスを実際にローンチし,理論を現実に置くことで,検証することを指向しています.
主な実装サービス: 1) チョイモビ横浜 2) 札幌ポロクル 3) 物流-道路維持管理システムと最適料金戦略
メンバー:若林由弥,今泉孝章,伊藤創太,斉藤いつみ
2.アーバンデザインと遅い交通の空間計画
概要: 日本では2050年に向けて3000万人の人口減少が進みと同時に世界では30億人の人口が急増していく.土地なりの地形や独自の文化を下敷きに様々な空間要素が連鎖し,人々の生活の営みや流動が展開されている一方で,経済,法律,テクノロジーの力は絶大であり,「空間」によって再びこれらを,地域の生活と文化を発展的に継承していくための空間計画と空間設計を実践したいと考えています. 理論的なアプローチでは,都市空間をグラフ表現した上で,ハミルトン閉路のような規範的なネットワーク解析手法でそのポテンシャルを3次元的に解析する方法と,現実の人々の生活や流動パターンの解析結果や数値シミュレーションを用いた街路や建築空間と機能再配分を行うためのデザイン手法の開発を行っています.こうした方法を現実の公共空間の計画とデザインにおいて展開し,都市空間改変の実践を試みている.速い交通から遅い交通へ,都市空間の改変に向けた新たな空間計画と設計のための方法論を提案したいと考えています.
主な空間計画:
1) 道後温泉空間計画,松山中心市街地空間計画
2) 神戸三宮-元町駅地区空間計画,鄭州新区モビリティデザイン
3) 三原村-大月町「牧野富太郎の道を歩く」,松野町目黒地区「蛍の畔道」
メンバー:大山雄己,芝原貴史,柴田純花,伊藤創太