東京大学 羽藤研究グループ > 講座 > 2023 > 行動モデル夏の学校2023 > 当日のまとめ
第22回行動モデル夏の学校2023は、対面形式を基本としながらzoomを併用したハイブリッド形式にて、2023年9月18~20日にかけて行われました。 特別講義 Special lectures /基調講演 Keynote lectures / 講義 Lectures / 研究奨励賞受賞者講演 Invited lecture / 演習 Group work / 表彰 Award |
基調講義 Keynote Lecture
佐々木邦明(早稲田大) |
浦田淳司(筑波大) |
井料隆雅(東北大) |
中西航(金沢大) |
齊藤いつみ(東北大) |
Prateek Bansal(National University of Singapore) |
招待講義 Invited Lecture
兵藤哲朗(東京海洋大) |
英語セッション English Session
Giancarlos Troncoso Parady (UTokyo) |
Hideki Yaginuma(Tokyo University of Science) |
Yuki Oyama(Shibaura Institute of Technology) |
Yusukue Hara(Tohoku University) |
Makoto Chikaraishi (Hiroshima University) |
Junyi Zhang(Southeast University) |
BinN Awards Ceremony
Dr. Luo Lichen (Hiroshima University) |
演習 Group work
課題:プローブパーソンデータを用いた行動モデル推定
プローブパーソンデータ(ロケーションデータ、ウェブダイアリー)・土地利用データ・交通ネットワークデータを用いて、離散選択モデルをはじめとした行動モデルの構築と推定をグループごとに行い、成果を発表しました。
01.個人A pdf 発表概要:
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02.個人B pdf 発表概要:
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03.IITB pdf Summary:Our research in transport geography examined data at Tokyo, Koto City, and city levels, revealing age and gender as primary predictors. Females displayed fewer work and business trips, often preferring walking at the city level. Safety concerns for females in public transport were evident. We recommend enhancing safety measures to create a more secure environment, fostering inclusivity and accessibility for all commuters.
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04.愛媛大 pdf 発表概要:道後宿泊者に対して、松山市中心市街地への行動を促すことで消費を増やすことができるという仮説のもと分析を行った。消費額は松山市に着いた時間が優位であり、1時間早く来るごとに2.4%来街人数が増加するという結果が得られた。そこから、ホテルのアーリーチェックインなどの対策が有効であると考えた。
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05.広島大 pdf 発表概要:渋谷駅利用時間選択モデルを使用した鉄道のオフピーク利用促進方策の効果分析を行いました。通勤・通学目的で渋谷駅を利用する人のOD座標とアクセス・イグレス距離から最寄り駅・路線を特定し,現実のオフピーク方策を再現しました。また,定刻出勤ダミーや平均到着時間との差,外生的な時間価値を変数として利用する等の方法に挑戦しました。
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06.金沢大 pdf 発表概要:近年ガソリン価格の高騰が全国的に話題となっている.我々はこの問題に焦点を当て,ガソリン価格の高騰によって自動車による外出の影響を受けるのがどのような属性の人々であるのかを明らかにすることを試みた.他にも重回帰分析を用いて,自動車による外出距離に影響を与えている要素について分析を行った.
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07.東北大A(井料研) pdf 発表概要:初めて訪れる場所の情報を事前に収集するのは労力がかかる.本チームでは,住所を指定することで,そのエリアの特徴を表す言葉,いわゆるマンションポエムを自動生成する機械学習モデル作成に取り組んだ.具体的には,入力データとして地価や標高,最寄り駅からの距離等を,教師データとして都内6区で販売されているマンション広告のマンションポエムを使用した.
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08.東北大B(原研) pdf 発表概要:会社員の勤務時外食行動に着目し,個人属性と通勤時間等の外部要素が外食種・頻度に及ぼす影響を潜在クラスモデルと二項ロジットモデルによるネスト構造モデルを作成し分析した.PPデータから得られる勤務地・住居の情報をもとに,周辺にある飲食店やスーパーマーケット数を算出し説明変数の一つとしてモデルに加えている.
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09. 名古屋大 pdf 発表概要:メンバーの1人の親戚が住む、江東区大島6丁目の課題である「高齢者の健康増進」から派生し、この地域における外出率と、外出率に影響を及ぼすと思われるデータを用いてモデル推定を行った。最後に推定結果に基づいて、地域課題解決策を提案した。
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10.山梨大 pdf 発表概要:自動運転バスが首都圏に導入された場合について,どのような効果が波及していくのかについて.CESモデルを用いて効果計測を行った.CESモデルは所得のデータをインプットしているため便益計測が容易である.今回の結果としては東京都民一人当たり6000円/年となった.人口が多い都会での導入は効果的であると判断できる.
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11.豊田中研 pdf 発表概要:確率ゼロを表現可能な経路選択モデルを用いて,旅行者の選択肢集合とモデルパラメータの同時推定を試みた.結果として,通勤・通学目的では,帰宅目的に比べて,選択肢集合が限定されていることを確認した.また,特定の施策に対して,選択肢集合の限定のため,その恩恵を全く受けられていない人が一定数いることを示し,より公正な・パーソナライズされた施策への展開可能性を示した.
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12.芝浦工大A(岩倉研) pdf 発表概要:出勤の有無や年収、年齢、居住地によって買い物に出かける時間帯に変化が出るのではないかという仮説を持ち、買物トリップの出発時間帯を目的変数とする時間帯選択の多項ロジットモデルを構築した。基礎集計にて買い物時間帯に差がある要因を分析し、説明変数には生活圏内の事業所数、トリップ所要時間、高齢者ダミー、出勤者ダミーなどを組み込み、主に所要時間と高齢者ダミーで有意な結果を得た。
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13.芝浦工大B(大山研) pdf 発表概要:アクティビティパターンに基づいて道後温泉本館における混雑緩和のシュミレーションを行った.基礎集計から道後エリアの入浴施設において道後温泉本館の需要が空間的かつ時間的に集中していることがわかった.宿泊客のアクティビティパターンを大きく7つに分類し,アクティビティパターン選択モデル(MNL)を作成した.16時以降の入浴と入浴料金において有意性を確認し,アクティビティパターン別入浴料金制を政策として導入したところ,混雑の緩和が見られた.
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14.東京海洋大 pdf 発表概要:都心での通勤・通学の主な移動手段の一つである鉄道は、高い混雑率から遅延や事故等による経済的損失が問題となっている。鉄道を利用する人がピーク時を避け分散利用することを促すために必要な要因を考察するため、2020年豊洲PPデータを用いて通勤・通学者を対象にした帰宅時間選択モデルを構築した。
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15.東工大 pdf 発表概要:
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16.東京理科大 pdf 発表概要:
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17.早稲田大A pdf 発表概要:電車ではスマホの使用などが可能である一方、自動車等ではこれらの行為には制約がある。そのため、各交通手段で所要時間に対する心理的負荷は異なると仮説を立て、3ケースでモデル推定を行った。さらに、将来的に完全自動運転が一般的になれば、通勤時間を作業に充てることが可能になるため、それによって通勤者の交通手段選択にどのような変化をもたらし、それによってどれだけの生産性向上が期待できるか検証した。
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18.早稲田大B pdf 発表概要:近年、円安や国際情勢の影響によりガソリン価格が上昇していることを背景として、ガソリン価格の高騰がトリップの短縮や交通手段の変化に影響を与えているという仮説を立て、交通手段選択モデルの構築とシミュレーションを行った。自家用車のガソリン代の値上げにより、感度は低いが、自動車の分担率が低下していくことを確認することができた。
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19.東大都市工 pdf 発表概要:飲食店の最適配置により外食産業を盛り上げる方法を理解することを目的として、東京都内全域を1kmのメッシュに分割し、人々がどのメッシュ内の飲食店を選択しているのかをMNLモデルによって推定した。変数として「メッシュ内飲食店数」「食べログに書かれている予算額の平均値」「食べログに書かれている予算額の標準偏差」「食べログの評価(星)の平均値」「利用者とメッシュの中心の距離」を使用し、各変数の弾力性を計算することで政策的に重要な示唆を得た。
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20.東大羽藤研M1 pdf 発表概要:鉄道障害発生時における経路選択ポリシーの変化を評価するために、因果推論の手法を効用理論に適用した新たな推定手法を提案した。実データを用いた推定に際しては、疎なGPSデータから経路を復元するマップマッチングやChatGPTを用いた鉄道障害データの整形を行い、複数の候補経路から一つを選ぶ選択構造を作成した。
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21.東大羽藤研B4 pdf 概要:世界的に問題となっているオーバーツーリズムへの関心から、2022年の松山-新宿PPデータから道後内の活動に着目し行動の逐次選択モデルを作成しようとした。観光行動が一日の時間帯によって変化するという仮説の下、本モデルでは時間-活動ネットワーク上で推定を行った。モデルの作成までは辿り着いたが、パラメータ推定のt値がNaNになってしまい、我々の課題が浮き彫りになる結果となった。
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22. 東大羽藤研留学生 pdf 概要:
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23.東大福田研 pdf 概要:従来の行動モデルではあまり目の向けられてこなかった、「行動モデルに当てはまらない人」に焦点を当て、その要因分析を行いました。豊洲のPPデータに基本的な交通手段選択モデルを用いて推定を行った後、推定の結果と実際の行動とが一致しなかったトリップを精査し、その要因を精査した上でモデルを更新する、という操作を繰り返しました。
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表彰 Award
行動モデル夏の学校には例年、数理的にモデリングをつめられていたグループには、故・上田孝行先生にちなんだ香住賞が、行動分析によって興味深いfact findingを実現したグループには、故・北村隆一先生にちなんだDavis賞が送られます。今年度の受賞チームは以下の通りです。
香住賞:3.IITB
Davis賞:1.個人A
総合1位:9.名古屋大 及び 17.早稲田A