東京大学 羽藤研究グループ > 講座 > 2021 > 行動モデル夏の学校2021 > 当日のまとめ
第20回行動モデル夏の学校2021は、コロナウイルス流行を受け本年度はオンラインにて、2021年9月15~19日にかけて行われました。 特別講義 Special lectures /基調講演 Keynote lectures / 講義 Lectures / 研究奨励賞受賞者講演 Invited lecture / 演習 Group work / 表彰 Award |
特別講義 Special Lecture
朝倉康夫(東京工業大学) |
基調講演 Keynote Lecture
Kay Axhausen(ETH Zürich) |
講義 Lectures
Arnab Jana (IIT Bombay) |
Giancarlos Troncoso Parady (UTokyo) |
Hideki Yaginuma(Tokyo University of Science) |
Shafique Muhammad Awais (CIMNE) |
Makoto Chikaraishi(Hiroshima University) |
Yuki Oyama(Shibaura Institute of Technology) |
Yusuke Hara(Tohoku University) |
倉内慎也 (愛媛大) |
井料雅隆 (東北大) |
佐々木邦明 (早稲田大) |
瀬尾亨 (東京工業大) |
山本俊行(名古屋大学) |
円山琢也(熊本大) |
第三回行動モデル優秀論文賞基調講演 Invited Lectures
Takanori Sakai(Tokyo University of Marine Science and Technology) |
Takao Dantsuji(Kanazawa University) |
Risa Kobayashi(UTokyo) |
演習 Group work
課題:プローブパーソンデータを用いた行動モデル推定
プローブパーソンデータ(ロケーションデータ、ウェブダイアリー)・土地利用データ・交通ネットワークデータを用いて、離散選択モデルをはじめとした行動モデルの構築と推定をグループごとに行い、成果を発表しました。
01. 東京理科大 pdf 発表概要:豊洲のPPデータを用いて都市開発における定量的手法の評価を行なった。多項ロジットモデル(MNL)を用いて交通手段選択モデルと目的地選択モデルを構築し、感度分析を行うことで政策の評価を行なった。特に交通手段選択モデルにおいては、緑地割合を現す変数を導入し近年の都市開発に合った評価・検討が行えるよう考慮した。
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02. 愛媛大 発表概要:私たちは在宅勤務促進による私事活動への影響を分析しました.通勤時間が比較的長い横浜に着目し,日ごとの私事活動の有無を目的変数とした二項ロジットモデルを用いました.そして,在宅勤務促進によって通勤時間が削減されることによる1か月の私事活動の頻度をシミュレーションしました.
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03. 東京大学福田研 pdf 発表概要:コロナ禍で人々の時間価値が変化し、求められる都市計画も変容しているのではないかと着想しました。そこで、2019年、2020年の豊洲のPPデータを使用して、多項ロジットモデルで年別・目的別・休日平日ごとの8パターンで時間価値を分析しました。モデルでは、所要時間と費用に共通のパラメータを用いて、鉄道・バスにピーク時間のダミー項を含めました。分析の結果、時間価値がコロナ禍では上昇していることを明らかになりました。
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04. IIT Bombay pdf 発表概要: Changes in travel behavior during the COVID-19 pandemic The aim of this study was to analyze the change in travel behavior in terms of mode choice of scheduled trips during the COVID-19 Pandemic. Toyosu city was considered as the study area. Scheduled trips include the trips made for work, business, and education purposes. Considerable decline in public transportation share as well as rise in the share of private vehicles were observed from 2019 to 2020, in the preliminary descriptive data analysis and spatial analysis. The methodology includes developing discrete choice models (MNL) to identify the factors influencing the mode choice which were then used in ML tools (ANN, XGB and RF) to improve the mode choice prediction. Moreover, sensitivity analysis was carried out based on which policy suggestions were derived to improve the bus modal share.
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05. 広島大学 pdf 発表概要:PTデータのうちレジャー活動トリップを対象として、目的地での滞在時間予測モデルをランダムフォレストによって構築し、滞在時間を増加させるためのシミュレーションを行った。今回は機械学習手法を活用したモデルに挑戦したが、機械学習には解釈可能性の課題が存在するため、予測精度以上にモデルの解釈や説明に重きを置いた。結果として、私たちのモデルでは滞在時間増加のための具体的な政策を提示することはできなかったが、ランダムフォレストモデルにおけるシミュレーションの流れを示すことができた。
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06. 熊本大学 pdf 発表概要:私たちは,豊洲PPデータを用いて,COVID-19 禍における行動変容に着目しました.2018・2019 年と2020 年を比較すると,買い物トリップ割合の増加が確認できました.そのため,買い物目的トリップに着目したモデル構築並びに,政策提案を行いました.具体例には,利用者の退勤後(15 時から3 時)の行動をKitamura (1984) の時間配分モデルで表現しました.公共交通の利用の有無や住居地域,時間帯が買い物時間の増加に影響が大きいことが分かりました.
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08. 山梨大学 発表概要:
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09. 名古屋大学 pdf 発表概要:アフターコロナを見据え、今後減少するとされる鉄道利用を促進する政策の検討を試みた。鉄道網が発達している首都圏に位置する豊洲を対象に、NLを用いて平日の出勤日数、アクセス駅距離、アクセス駅利用人数、平日の交通手段が鉄道で外出する時と家で過ごす時の選択にいかに影響するか調べた。
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11. 早稲田大学A pdf 発表概要:豊洲プローブパーソンデータを用いて,交通手段選択の多項ロジットモデルを構築した.その際,将来的に導入が予定されているBRTバス停周辺のトリップに絞ることで,BRT導入の効果を検討しようと試みた.
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12. 早稲田大学B pdf 発表概要:丘陵地の多い横浜市において、代謝的換算距離を用いて傾斜を考慮した交通手段選択モデルの構築に取り組みました。代謝的換算距離を用いたモデルと通常の距離を用いたモデルの適合度に大きな差は見られない結果となりました。
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13. 芝浦工業大学A 発表概要:豊洲プローブパーソンを用いて,コロナ禍による買い物行動の目的地変化や時間変化に関する交通分析を,基礎的なモデルを用いて行った.コロナ禍のテレワーク浸透による自宅付近での買い物行動の増加や,コロナ前には見られなかった買い物時間帯のピークの出現をデータから定量的に示すことができた.
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14. 芝浦工業大学B pdf 発表概要:私たちは,東西線の通勤時間の分散通勤を目的として行われている東西線オフピークプロジェクトに着目し,分析を行いました.実際の時刻表データに基づいた列車選択を多項ロジットモデル(MNL)を用いて推定しました.オフピークプロジェクトによって付与されるポイントに比べて,スケージュールに対する早着・遅着時間の影響が列車選択に大きく影響を与えていることがわかりました.
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15. 東京工業大学 pdf 発表概要:私たちは、ラストワンマイル交通に関する行動モデルに着目しました。中国や韓国では鉄道移動の後のバス移動には基本料金がかからないという情報を聞いたので、日本でもその制度を適用したら人々の行動がどのように変容するのかということに興味があり、このようなテーマを選びました。多項ロジットモデルによってモデル化を行い、政策実行によるバス利用の拡大を確認することができました。
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16. 東京大学A pdf 発表概要:近年出現しつつある定額型MaaSが東京に導入されれば、人々の目的地選択の多様化や余剰の増加を期待できる。私たちは、上位ネストを目的地選択、下位ネストを交通手段選択とするNLモデルを推定した上で、期待最大効用を最大化させるようにMaaSへの登録の有無を決定する枠組みでシミュレーションを行った。この際、目的地の魅力度を重視するクラスと交通手段のサービス水準を重視するクラスとがあるという仮説のもと、EMアルゴリズムを用いた。結果として、定額型MaaSの導入により目的地選択が遠方化・多様化することや、消費者余剰は増加するが鉄道事業者の収益の変化とトレードオフの関係にあること等が明らかになった。
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17. 東京大学B pdf 発表概要:SNSの普及により,空間に紐付いたテキストデータの取得が容易になっており,災害時に発せられるテキストから人流をリアルタイムに予測する,などの応用が期待される.我々は2007年松山のPPデータに紐付けられたテキストの特徴量抽出を行い,Discounted RLモデルの場所の説明変数として与えることにより経路選択モデルの推定及びシナリオシミュレーションを行った.各地点にRealノードとTwitterノードを配置するTwitter空間を導入し,Tノードに遷移することで擬似的にツイートをする状態を表した.
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18. 個人参加チームA 発表概要:
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19. 個人参加チームB 発表概要:
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表彰 Award
行動モデル夏の学校には例年、数理的にモデリングをつめられていたグループには、故・上田孝行先生にちなんだ香住賞が、行動分析によって興味深いfact findingを実現したグループには、故・北村隆一先生にちなんだDavis賞が送られます。今年度の受賞チームは以下の通りです。
香住賞:04. インド工科大学B, 16. 東京大学A
2位:14. 芝浦工業大学B
3位:06. 熊本大学, 17. 東京大学B
4位:05. 広島大学
5位:18. 個人参加グループ
Davis賞:03. 東京大学(福田研)
2位:13. 芝浦工業大学A 総合1位:17. 東京大学B 2位:14. 芝浦工業大学B 3位:05. 広島大学