概要

本演習は，東京の生活・文化・経済に関する歴史的な履歴と，人口減少・高齢化に直面しつつある東京の実情，首都直下地震の被害想定およびそれに対する備えの現状について学習しつつ，実際のフィールドワークを行い，従前の社会基盤の枠組みを超えた広い視野から，多分野の知見を融合させて，事前復興型の空間計画と都市デザインの提案を行うものである．具体的には，文献収集，現地視察，現地調査の事前準備と移動体通信を用いた位置データとパーソントリップデータ解析，及び様々な教員や専門家との議論等を通じて，地理的特性を踏まえた社会基盤（生活基盤，生業基盤，安全基盤）の現状評価と今後の対策提案，都市と地域の空間計画のコンセプト立案を行う． また，こうした一連の演習を通して，研究の基本となる，問題設定→仮説の立案→仮説の検証という一連のプロセスを学ぶと共に，地形図の読図能力や文献調査能力，さまざまなデータの解析手法，現地調査の計画立案・遂行能力，議論及びプレゼンテーション能力を身につける．

なお基礎プロジェクトⅠは，現地調査を行う．また，夏から冬学期にかけての通年の演習を想定しているため，基礎プロジェクトⅠと応用プロジェクトⅠを合わせての受講が望ましい．


演習の概要


　　紹介ポスター：

2019年度五月祭に向けて作成した、「基礎プロジェクトⅠ」・「応用プロジェクトⅠ」の概要紹介ポスターです。

演習資料


個別の知識


　　現地調査：

都市の計画において、現地調査は欠かせません。より有効な現地調査をするために必要な視点や方法論などをまとめています。


　　パタン・ランゲージ：

「小さな人だまり」「座れる階段」「街路を見下ろすバルコニー」などのパターンは、各国の美しい街や住まいに共通する普遍的なものであり、多くの人々が良いと感じるものでしょう。こうしたパタン・ランゲージの知識は、都市の理解を深め、生き生きとした建物やコミュニティの形成を目指す上で大いに役立つでしょう。


　　PT分析：

　 Javaについてはこちら

パーソントリップ調査では、個人の1日における移動状況を把握することにより、「どの交通機関が」「どのような人によって」「いつ」「どのような目的で」「使われているか」を調べることができます。こうした調査結果を分析することで、計画に対して定量的な評価が可能になるでしょう。


　　均衡配分：

均衡配分を用いると、例えば道の付け替えや車線数の変更などを行った際に、どれほど混雑が起こるか、あるいは解消されるか、といったことを定量的に評価できます。PT分析と併せて活用することで、計画に対して数量的な裏付けを与えてくれるでしょう。


　　レイヤー分析：

地図の中から特定の施設や機能のみを抜き出したものを1枚のレイヤーとして、様々なレイヤーを重ねてやることで、隠れた関係性が見出されたり、あるいは時系列ごとの都市の変化を捉えることができます。都市の理解に大いに役立つレイヤー分析の方法論などを紹介しています。


　　資料の集め方：

都市の分析、計画において、情報元となる資料は欠かせません。一見資料から情報を集めることは何も難しくないように感じられますが、本当に必要な情報を集め整理することは並大抵のことではありません。ここでは、そうした資料の集め方について、様々な方法や視点を紹介しています。


過去の演習成果のまとめ


　　2018年度（対象敷地：豊島区）

　　2017年度（対象敷地：豊島区）

　　2016年度（対象敷地：横浜市）

　　振り返り座談会（2018年度）：

今年の2月に受講者とTAで座談会を開催し, 演習を振り返った時の記録です.


　　都市ジャーナル：

2017年度応用プロジェクト１にて作成した都市ジャーナル．都市を考えるうえで重要となる「分析」「計画」「表現」の手法や実例について詳しく書いてあります．是非議論に役立ててください．


参考文献集


　過去の受講生が参考にした書籍・サイトのまとめです.

　　参考文献集（2018年度版）

　　参考文献集（2017年度版）


日程


日形式内容配布資料
4/5(金)ガイダンス「地図を読む，コンセプトをまとめる」
グループの希望
4/19(金)グループ「レイヤー分析による地域課題の抽出のエスキース」
グループ分け
4/26(金)グループ「調査計画」グループ分け
4/27(土)-
4/28(日)		現地調査1日目：現地説明
2日目：各班調査，歩き
5/10(金)発表レイヤー分析の発表会/まち歩き報告会
5/24(金)グループ/エスキース地区の交通と暮らしの分析
個人課題2・3出題
5/31(金)グループ/エスキース地区の課題抽出とコンセプトの整理（1）
6/4(火)グループ/エスキース地区の課題抽出とコンセプトの整理（2）
6/7(金)発表中間発表
6/14(金)討論会模擬ワークショップ（個人課題の提出と議論）
6/21(金)グループ/エスキース空間計画・都市デザインの立案（1）
6/28(金)グループ/エスキース空間計画・都市デザインの立案（2）
7/5(金)発表発表・外部専門家講評会
7/12(金)グループ/エスキースプラン修正日