U30都市計画-都市設計提案競技2014

発表審査・講評

 

平成26年9月19日、道後温泉地区(どうごや、道後温泉本館前、椿の湯前、道後商店街入口)にて講演会、パネルセッションを行い、9月20日、愛媛大学(南加ホール、校友会館)にて、内藤廣氏による基調講演、最終プレゼンテーション、最終審査会を行いました。

 

[9月19日プログラム] [9月20日プログラム]
講演 1.基調講演
 「木造建築の風景」藤田香織  「成熟しない街造り」内藤廣(建築家)
 「地域デザインの展開」窪田亜矢  
  2.パネルプレゼンテーション
パネルセッション  ※審査員、一般聴講者向けプレゼンテーション
 ※市民向けプレゼンテーション  プレゼンテーションの様子
 パネルセッションの様子  
  3.審査会(最終プレゼンテーション)
   最終プレゼンテーション
   
  4.審査結果発表・講評・表彰式
   審査結果
   講評

 

 

9月19日プログラム1

パネルセッション

 

道後温泉地区(どうごや、道後温泉本館前、椿の湯前、道後商店街入口)にて、パネルセッションを行いました。

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「都市付温泉から温泉付都市へ」 「ほどきゆわえる」
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「道後の家道」 「“まちの湯”道後の通い路」
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「道後六物語」 「忘れられた風景の「環」を縫う」
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「道後かるた」 「道後かるた」

 

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9月20日プログラム2

パネルプレゼンテーション

 

愛媛大学校友会館にて、審査員や一般聴講者向けにパネルプレゼンテーションを行いました。

 

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「道後の家道」 「忘れられた風景の「環」を縫う」
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「“まちの湯”道後の通い路」 「道後六物語」
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「ほどきゆわえる」 「道後かるた」
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「都市付温泉から温泉付都市へ」 「都市付温泉から温泉付都市へ」

 

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U30都市計画-都市設計提案競技2014

審査結果

 

【最優秀賞】道後六物語

チーム名:[1407]早稲田大学

メンバー:内田将大、茅根哲郎、加藤真梨菜、吉江俊、山田周、石川大樹、野原かなえ、福澤香織

 

 

1407

 

 


【松山市長賞】忘れられた風景の「環」を縫う

チーム名:[1424]沼野井諭建築設計事務所+東京大学

メンバー:沼野井諭、本間百合

 

 

 

1424

 

 

 

【内藤賞】道後かるた

チーム名:[1423]

メンバー:吉田涼子、田頭亜里、魚本大地

 

 

1423

 

 

 

【青木賞】都市付温泉から温泉付都市へ

チーム名:[1412]東京大学

メンバー:芝原貴史、森本順子、福田崚、中島健太郎、陳莉莎

 

 

 

1412

 

 

 

【後藤賞】道後の家道

チーム名:[1419]東京大学+東京芸術大学+名古屋大学+フリー

メンバー:国枝歓、中島弘貴、前川智哉、矢野槙一、高柳誠也、戸石晃史、高取千佳

 

 

1419

 

 


【窪田賞 藤田賞】ほどきゆわえる

チーム名:[1420]京都大学

メンバー:牧田裕介、大川雄三、篠崎健、一宮紘平、水牧達志、諏訪淑也、水野裕介、三輪潤平、水野剛志

 

 

 

1420

 

 

 

【道後温泉賞】“まちの湯”道後の通い路

チーム名:[1414]愛媛大学+東京大学

メンバー:安田真菜、大山雄己、畔元真弥、小川直史、亀田真美、松本優花、山口伶、山本祥大

 

 

 

1414

 

 

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U30都市計画-都市設計提案競技2014

講評

 

【山口先生】

非常にハイレベルな案で、私自身が勉強になった設計競技だった。提案全体のビジョンも個性があって、解き方もオリジナリティがあり、バラエティに富んでいて非常によかったと思う。また現実的な案も多く、道後にとって今後の道後のあり方や実行するプロジェクトの参考になると思った。

 

【羽藤先生 】
今回はU-30の都市計画設計提案競技ということだったが、日本ではなかなか都市計画に関する提案競技は少なく、このような課題に全国各地から様々な若手の方に参加していただいて、道後にとっても、道後を考えるうえで貴重な討議が展開できたと思う。

 

【藤田先生 】
ポスターを見ても、発表を見ても大変な労力をつぎ込まれたということが良くわかり、まずはそこに敬意を表したい。全体を通して、本館に頼らないまちづくりや冠山の利用など、共通する問題意識に対してそれぞれ色々な回答が出てきていて大変おもしろかった。

 

【牧田裕介】
今回、都市のスケールから建築のスケールまで横断して、チーム9人という大人数で考えていきました。一番難しいと感じたのは、どこに重心を置いて設計をしていくかという点です。コンセプトから入ると、なし崩れになっていってしまい、具体的な調査から入るほうがいいのかなど悩みました。建築を学んでいますが、長期間コンペに取り組むことで、建築のスケールを超えて、横断的に考える体験は、個人としてもチームとしても、面白い経験になったということで、本当にありがたいことである。

 

【窪田先生】
身近な学生がチャレンジしていたので、傍目で見ていて、いかに大変かを感じていた。
さらに「風景づくり夏の学校」が、7月26日から開校して、今日の閉校のこの日まで、みんなが同じ学校で学んでいたことを強く認識した。

 

【牧田裕介 】
視点の話に関しては、今都市のエッジとなっているコンクリートの斜面に対して抵抗感を感じていて、あの斜面と本館がどうつながるのかを一番示したいという意図があった。視点の高さに関しては人間的な目線で見た方がリアリティがあったのかなと感じている。本館から町の全体へ広がっていくようなパースという意識も頭の中にあったからかなと思う。駐車場の話は言われた通りだと思っていて、ちょっと反省会をして考えていきたい。

 

【羽藤先生】
反省会を開くということで、非常にいいコメントだったと思う。
ちょっと若い世代の方から講評が続いているが、遠藤副市長の方から市長賞を選ばれたので、この辺についてもコメントをもいただきたい。

 

【遠藤副市長】
今回の提案は、有意義で聞きながらおもしろいなと思った。
この道後温泉の改修というのは、松山市にとっても本当に大変なことで、改修の期間どうしようかとか、マイナス的なことを考えてしまっていたが、逆にこんなチャンスはないと思えばいい道後がつくれるな、それによって松山市は発展するなと思うと、逆になにかやってみようという思いが湧いてきた。今日いろんな提案を聞いて、もっと早く聞きたかったなというのが本音で、大変面白い提案をいただいた。

 

【沼野井諭】
大胆な案と言われると少し気恥ずかしい気がします。私自身は普段建築設計の仕事をしていてプレゼンをする機会があるが、今回のコンペのモチベーションとしては、現実的なことを実現させることも大切だと思うが、デザイナーの役割は現実的なことを実現することをさらに超えてその町に住む人や町に関わる人にどのような夢を与えられるかだと思っている。そのような思いがあったので冠山を再生するだとか、道を一方通行にするとかゴンドラリフトをつくるとか、あえてバカっぽい提案にすることで、わかりやすさが伝えられればなと考えていた。

 

【羽藤先生】
この設計競技は若手の方に、できればその後道後に入っていただいてというのもあるので、非常にいい発表をしてくれていいと思った。

 

【遠藤副市長】
松山にぜひきてほしい。

 

【後藤先生】
先ほどU-30はやさしい性格だと言われていたことに対して、僕もそう感じている。 U-40は団塊ジュニアなので、おやじ達が学生運動で暴れていた世代なので、理屈っぽくて子供もつくらずに少子高齢化を招いている元凶だと言うと言い過ぎだが、U-30は団塊世代の次の僕らの子供たちの世代で、ちょっと線が細い。自分たちで自覚しながら行動しないと上に乗っかっているU-40に抑えつけられるところがある。

 

【羽藤先生】
後藤先生から賞をいただけるということは、ほぼ都市計画学会賞。ミスター都市計画だから、重い賞だということでコメントを。

 

【国枝歓】
ありがとうございます。僕らのチームは先ほど内藤先生の方から道後の本館がない状態を考えて街づくりをしてほしいということをいただいたが、僕らはむしろ観光自体がなくなったときにこの町がどう生きて行くかという、今おそらく松山市内において道後地区は人口が伸びているが、今後どんどん人口が衰退していったときに、観光だけではおそらくサバイブできないと思っている。

 

【青木先生】
お聞きしてみれば、後藤先生より僕の方が一歳上になるらしいのですが、精神年齢でいうと僕の方が下ですね。僕も線の弱い世代です。
ちょうど今、後藤賞が出たところですが、僕は「道後の家道」は、正直あまりおもしろいとは思わなかった。それは「夢」を感じさせてくれなかったからです。

 

【芝原貴史】
最初は割と網羅的に進めていって、本館を移築したらどうかというのが固まったときにはもうコンペで勝てないかもなとは思ったが、投げかけることはできたのかなと思って、そういう点では満足している。

 

【後藤先生】
チーム内で、これでいくことはすんなりまとまったのか。

 

【芝原貴史】
割とそうである。

 

【大木理事長】
今日は本当にいいプレゼンといただきありがとう。道後温泉を代表してお礼を申し上げたいと思う。道後温泉の本館ができてちょうど120年という大還暦を迎えたこの年に、このようなプレゼンをいただいたということは、今後の道後において、色んな角度から検討していけるであろうと思っている。

 

【安田真菜】
自分たちのチームは他のチームと全く違うというのがパネルを見て頂いても一目瞭然だと思う。それは都市計画を今までやったことがなくて、私も法律系、文系の学生なのでやったことがなくてパネルも何からつくるんだというようなところから始めたので、見て頂いたらわかる結果だと思うが、自分達が重視したのはどういう提案ができるかということよりも、こういう会の場に地元住民として自分たちが参加しているということが大きいのではないかという風に考えてここに参加した。なので今回の提案はひとつのきっかけに過ぎなくて、先ほどおっしゃっていただいたように、道後にどんどんこの地元の学生として関わっていけたらなと思っている。

 

【羽藤先生】
都市計画とか建築とか土木とかを専門としないからこそ、ああやって生の声を集めて目的地からつくるとか、手段から考えていくみたいな発想は他のチームにはなかったと思う。それがプロのように解き方をすごく覚えている専門家の方々にいい影響を与えてくれたと思うし、大木さんはラブコールを送っているので今後とも道後温泉を宜しくお願いしますということ。

 

【内藤先生】
残りはひとつですね。僕が賞をあげるのは「道後かるた」にあげようと思っているけど、その前にもうちょっと全般的な話から。
愛媛大学のプレゼにあった「学生はあんまり道後に行かない」という話。あれはよかったと思う。ぶっちゃけて言うと、都市は行政や都市の専門家に任せていたからこんなになっちゃった、ということもできる。もっとたくさんの分野の人が遠慮なく論じた方がいいと思う。心理の人が論じた方がいいのかもしれないし、文学の人が論じた方がいいのかもしれないし、経済の人が論じた方がいいかもしれない。なんかたくさんの人が都市について語って提案する必要がある。都市はそんなオープンエンドなテリトリーだと思う。そういう意味で、専門外からの提案だった愛媛大学のプレゼは新鮮だった。

 

【吉田涼子】
エロスとは違うかもしれないが、何をやってもいいといわれたときに、もともと建築の仕事を受けるときに何㎡で決められているという状況に対して、それをどう影響したいかというのから始めてかるたに行き着いた。そういう意味で仕組みに興味があったが、結局つくってみると例えば模型をつくるとなったときに、両面印刷すれば済む話だが、わしにのりを貼って夜な夜な切らないと気が済まないという自分がいると。結局、自分は物の側にたっているのかなということを、逆に実感させられた。

 

【羽藤先生】
先ほどからエロスの話が大人も若手も続けていて、よく恥ずかしくないなと思うが、フロイトの二元論でエロスとタナトスというのがあって、エロスの逆はタナトスである。タナトスというのはここではなくどこかに行くという衝動のことをいう。

 

 

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