しまなみ再生を考える 羽藤英二(東京大学)
しまなみ海道が架橋10周年を迎えます.海を渡る橋は世界に数あれど,自転車で60kmにもわたって多島美を巡れる橋は珍しいのではないでしょうか.たとえば,夕暮れ時,自転車でのんびりしまなみに向かい,どこでもいい海の見える場所に立って,海流の中の島々や,われらを巡る海に遠く思いをはせたなら,何が見えてくるでしょうか.
変わらないこの美しい海の風景の中で,古くは斑鳩の時代から強い潮の満引を利用した独自の航海技術が日本に仏教伝来をもたらすとともに,多くの産業,文化がこの海を巡る地域に根付いていきます.その歴史的・文化的な広がりを考えると,フランスの歴史家であるブローデルがいうようにしまなみの海は日本における母なる海であり,私たち日本人の生業の風景であるともいえるのではないでしょうか.
風景づくり夏の学校では,2006年大島,2007年来島・小島・馬島,2008年波止浜・八木亀三郎邸を対象に,愛媛大学,東京大学,京都大学をはじめとする全国各地の大学生が一同に会し,しまなみ産業ツーリズム,古い町並みや港の再生,中心市街地の活性化など,しまなみの海の風景の再生のためのさまざまなアイデアについて夜を徹して論じてきました.
2009年の夏の学校では,これらのアイデアを下敷きに,自分たちのアイデアをもとに地元の人々と向き合い,一緒に考え汗をながしながら風景づくりを行動にうつしてみたいと思っています.全国各地の土木,建築,都市分野の4年生,修士,博士課程の学生の皆さんの参加をお待ちしています.しまなみの風景の中でお会いしましょう.
夏の学校はしまなみアーティストフェスティバルの開催に応じて,下記の日程で行われます.学生が参加する活動は黄色文字で表示されています.
1 | 土 | ||
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2 | 日 | 基地づくり・番組放送に向けた調査活動 | |
3 | 月 | 基地づくり・番組放送に向けた調査活動 | |
4 | 火 | 基地づくり・番組放送に向けた調査活動 | |
5 | 水 | 基地づくり・番組放送に向けた調査活動 | |
6 | 木 | 基地づくり・番組放送に向けた調査活動 | |
7 | 金 | 基地づくり・番組放送に向けた調査活動 | |
8 | 土 | 24時間ラジオ | |
9 | 日 | 24時間ラジオ |
24時間ラジオのスポットCMです.7月に大学生メンバーで録音を行い,ラヂバリにて編集していただきました.