コンセプト


 2050 年に向けて世界人口が 30 億人急増し、日本の国内人口が 3000 万人減少する中、エネルギー不足・食 糧問題・頻発災害といった問題が日本の都市社会に壊滅的なダメージを与える可能性があります。こうした 問題の解決は喫緊の課題であり、そのためには従前の工学的要素技術をバラバラに取り扱うのではなく、都市社会技術として包括的に結び付けた全く新しい独創的な問題解決手法を確立しなければなりません。

 そこで、現在国際競争力を有するモビリティ、材料、エネルギーといった工学技術を核としながら工学以外の様々な分野と連携した上で、都市・地域・コミュニティ・国土レベルで展開可能な新たな都市社会モデルを構築し、そのモデルを日本のみならずアジア諸都市へも展開するべく、復興デザイン研究体は創設されました。

 東日本大震災を契機に、原発をはじめとする科学技術を基盤とした地域社会の在り方そのものが問われました。今後、工学分野のみならず復興の現場で実践的活動に取り組んでいる専門家と連携し、関東・東海・東南海・南海地震が想定される地域の事前復興を念頭に、新たな社会デザインの枠組みを実践的に提案していく必要が高まっています。

 当研究体ではこうした実践的な社会技術の実験が可能な複数都市と連携し、国土交通省や全国の自治体と共同で研究開発を行うことで、全く新しいタイプの研究分野の創出を指向すると共に、新たなモデル都市の実現を図ります。


体制


 当研究体は東京大学工学系研究科の都市工学専攻・建築学専攻・社会基盤工学専攻を中心に、農学、法学、情報理工学、経済学部と協力すると同時に、自治体、企業、学術会議との連携により組織されます。このような体制の下、4つの研究テーマに基く研究開発を進めながら次世代の都市・地域・国土像を考えています。


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