確率過程の基礎5章 再生過程 担当:浦田 ■再生過程とは ポアソン過程の拡張.時間間隔は指数分布以外も可能.n回目の再生において, n-1回目の再生からn回目の再生までの時間tiは一般の分布F(t)に従うと仮定. ■停止時刻 時刻Nで停止するという現象の発生が確率過程だけで決定できるとき時刻Nを停 止時刻と呼ぶ.ワルドの方程式:確率変数の和の期待値はxiの期待値を停止時 刻の期待値倍になる. ■大数の強法則 単位時間当たりの再生回数は,期間xiの期待値の逆数である. ■再生報酬過程 i番目の再生が起こる時刻でriの報酬を受け取る 例:故障・買い替えを考慮した車の維持費の1年間の平均費用.i番目の再生期 間は故障による買い替えと買い替え時期での買い替えの和.再生時のコストは 新車費用と故障修理代の和. ・どんな場合が考えられる? 道路の修繕において,修繕費用と補修費用など. ■GI/G/1待ち行列 λ,μに従うポアソン過程に従う到着,サービス時間とする.平均客数・平均 滞在時間を定式化.リトルの公式:平均客数Lは客の到着割合と平均滞在時間 の積で表される.客の滞在時間や平均待ち時間が求めることができる.カーシ ェアの問題も待ち時間を走行中の時間と捉えれば,同様に定式化できるのでは ないか. ・回遊の問題には扱えるのか この問題では待合室が有限.回遊を考えると待合室がない(無限)な場合なので, 滞在時間は求まるだろうが少し違う. ■待ち行列の応用 時刻tでの仕事量をシステムにいる客全てに対する残りサービス時間の総和で 考える.サービス時間の総和はi番目の客のサービス時間の期待値として変形 すると,ポラチェック・ヒンチンの公式で平均客数・滞在時間を導出可能. ■年齢と余命 年齢A(t)は前の再生過程から現在までの時間,余命は現在から次の再生過程ま での時間. ■検査のパラドクス 商品の寿命は余命と年齢の和.n個の商品の平均寿命は寿命の単純な平均より 高くなる. ・他の分野での応用 情報系での扱いは多い.バックアップの問題,近似解の解法などがある. ・パラドクス 現実問題にあるのか.検査のパラドクスは平均値が滞在時間の長さが多い人が いると歪むような話.