◎確率分布:若林 【発表内容】 離散的な量と連続的な量とで、どのような分布になるか。 ・二項分布。ベルヌーイ試行を繰り返す場合を考える。 ・ポアソン分布。少ないが、ある程度起こりうる事象の確率を表すときに用いる。 ・幾何分布。ベルヌーイ試行を繰り返して行ったとき、k回目に初めてAが起こる確率を示す分布。 ・超幾何分布。n個からAをx個取り出したときの確率分布。一部のデータから全数を推定できるのが特徴。 ここまでが離散的な話で、ここから連続量。 ・一様分布。一様に確率変数が存在する分布。 ・球面上一様分布。円で考えると歩行者で使えるかと思ったが、これはどうだろうか。 ・指数分布。次の事象が起こるまでの間隔を計るときに使う。expで表せる分布。発生間隔がポアソン分布に従う。 ・正規分布。最も一般的。ガウス分布と呼ばれる。平均と分散が式に入っている。ほとんどすべての確率分布が正規分布に近づけられる。 ・ガンマ分布。形状パラメータa、尺度パラメータλによって形が変わる分布。 ・ワイブル分布。部品や製品の寿命を表す分布に用いられる。aが大きいと、初期不良が多い製品だとなる。ここまで連続型分布。 確率分布における法則を説明していく。 ・大数の法則。サンプル数が多いほど、観測地の平均が理論値に近づいていくということ。 ・特性関数の概念。確率密度分布p(x)から特性関数φ(t)を求める。これをフーリエ変換と呼ぶ。そこからキュムラント関数を求め、平均と分散が求められる。 中心極限定理。無限に多数の同じ分布をもった確率変数について適当な標準化を行うことで、どの確率密度関数も正規分布に近くなる。 ・多次元の確率分布を考える。確率変数間の関係性を考慮するため、同時分布を考える。それぞれの値が関連しながらばらつく度合いを共分散として計算でき、相関係数を定義する。 ・平均、分散、共分散、から2変量正規分布が書ける。分散共分散行列を用い、多変量正規分布についても適用可能。 ・金融分野では正規分布に変えてコピュラ関数を使うこともある。 【質疑】 浦田:幾何分布と超幾何分布は当てはまりが良さそうだと思った。 若林:アイデックだと、nが今とれてるデータ。Aが食事、Bがそれ以外、とれてないのがN。 斉藤:n種類にはできる? 若林:2項的に、カスケード式に計算していけばできる。 羽藤:これ結構使える。周南のサンプリングにも使える。回遊の話。これ使ってどうやってできるかは考える余地がある。 浦田:幾何分布も使えそう。 若林:k回目までに起こる確率を考える、確率分布の方がいいかも。 伊藤:インフラの劣化の話に使えるのでは。 羽藤:劣化していくのが非線形に変わっていく。分布が変わる速度は50年とかでかなり遅い。通過交通量の累積で変えていくことになるのかな。 浦田:初めて訪れるまでは幾何分布、その後は選択肢集合に入るとか。 羽藤:初めて行くのをいれるとおもしろい。幾何分布かな。10年プローブとかやるといいかな。 若林:出口調査をして調査すれば、観光についても適用できるかと。 浦田:このpをどう高めるかをハードな都市でどう行うか。 羽藤:pを説明変数にして書くということか。 若林:回数を増やせばもちろん確率は高くなる。 羽藤:タイムスペース図では使えるかと思うが。 伊藤:時間と空間だと確度でとれないか? 羽藤:タイムスペースは角度だから使えるはず。 伊藤:時空間での分布がどうか、ということ。 羽藤:縦方向に時間を取る。 斉藤:指数分布、待ち行列なんかで使えそう。 伊藤:バスの待ち時間。バスが来る頻度が指数分布で、待っている人数がポアソン分布。車が使われる頻度が指数分布で、使いたい人がポアソン分布。 柳沼:ガンマ関数は、階乗を連続量に対して近似するための関数と考えられる。ポアソン分布などででてくる階乗計算を近似するために使うもの。 柳沼:コピュラは、多変量を同時に考えなければならないが、計算が大変なときに用いる分布。計算量を減らせて便利。いろいろ作り方があるが、作ってみないとわからないのが課題か。 若林:はじめに状況を表すコピュラを用いて、そこから合わせていく、ということか。 柳沼:一個一個の分布は簡単にできるので、分散共分散行列を作るよりも簡単に同時っぽく表現できる。 若林:2変量の正規分布と全く同じ。 羽藤:コピュラの応用例を調べて何かやってみることが必要。同時分布は基本だから、我々の分野でも使っていける。 伊藤:誤差項の関係を考えるときにもつかえると思う。自動車の利用距離など。離散選択の誤差項と連続量の誤差項との関係を考えることもできる。 羽藤:金融だと、連鎖倒産みたいなときに相関が高くなってくるようなことになるとコピュラを用いた方がいい。 若林:同じ業種の会社の株を買うときとか。 羽藤:交通機関選択モデルだとだめか。必然があってコピュラを用いる必要がある。避難の場合、多数派協調バイアスがあるが、空間によって相関が変わってくることが考えられる。避難は非常時の話だから。