社会ネットワークを構造的下位概念を使って分解・モデル化する。このとき、二つの様式がある。
(1)社会ネットワークをアクターの集合と考え、ネットワーク内の下位集団を発見・分割する。技法としてはクリーク同定として確立されている。社会構造の概念とは関係が薄い。
(2)社会ネットワークを結合関係の集合と考え、社会構造における同質的なアクターを同じポジションに割り当て、分割する。
個人が社会構造のどこに位置づけられるかをいう視点からのモデル化である。アクターの構造的な特性を表わす指標・統計量(中心性、相互性、受信性など)が用いられる。
個人の相と社会の相の連結性を明らかにするモデル化である。アクターと組織がどのように絡み合っているかが問題になり、アフィリエーション・ネットワークやハイパーグラフなどが用いられる。
クリークはトップダウン型のモデルの中で主に用いられるが、どのモデルの分析においても汎用的に用いることが可能である。
クリークとは「メンバー外との結合に比べて互いに密に結びついたアクターの集合」のことであり、アクターの構造的な同質性が仮定される、集団の中での微細な「分裂」構造を見出すことができるといった面で重要である。
gのアクターからなるネットワークについて考え、アクター数hの集団を考えたとき、部分集合Hの凝集度は、
(部分集合内の平均強度)/(部分集合のメンバーからメンバー以外への平均強度)
で表される。この値が1を超えたとき、内部集団が凝集的になっているといえる。
最適クリークを見つけるにはおおきくわけて3つの方法がある。
(1)隣接行列の行と列を同時に並び替えて、行列の対角に凝集的な構造を発見していく方法。NEGOPYなど。《最適クリーク化》
(2)アクター間に定義できる非類似性に基づいて、クラスター分析や多次元尺度法を利用して分類する方法。《クラスター分析的クリーク化》
(3)あらかじめ分別するクリークのモデルに依拠してクリークを同定していく方法。《演繹的クリーク化》
・部分グラフ subgraph
・部分集合 subset
・凝集度 cohesiveness
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