社会ネットワーク分析の発展

1.プレ・パラダイム革命期

グループ・ダイナミクス

グループ・ダイナミクスとは、個人から創発した社会的実在性をもった集団に着目し、その集団の性質・発展・個人との関係などを調査や実験などの実証的なアプローチによって研究したものである。また、グループ・ダイナミクスの数学的・計量的な骨組みとしてグラフ理論されている。グループ・ダイナミクスは社会ネットワーク分析の先祖といえる。

社会人類学

社会人類学は政治、経済、信仰など広い意味での社会を対象とした学問である。個人間のネットワークから社会構造を捉える過程や社会的な関係の束としての役割構造の理論化は社会ネットワークへ通じている。


2.パラダイム革命期

ブロック・モデリング

1970年前後にハーバード学派によって、グラフ理論に代わって圏論・群論・半群論などの数学を利用し、ネットワークの厳密な関係構造を表現したブロックモデルが登場し、社会ネットワーク分析という新たなパラダイム転換を社会学にもたらした。

組織論的転回

アメリカでは1950年代以降行き詰っていた支配構造についての研究は社会ネットワーク分析の登場により活気づき、また社会ネットワーク分析も明確な研究対象を得ることで、有用性が証明され、また組織論の分野でのスペシャリティーが認められたともいえる。


3.ポスト・パラダイム革命期

個人主義的な合理的行為を仮定し、人間の行動を報酬とその交換過程と捉える社会交換理論と結びつき、社会ネットワークの実験的な研究がはじまり、新たな展開を見せている。これにより、経験的な分析しかできなかったものが、コントロール可能な実験的状況で検証できるようになった。


もっと知りたい方は

ゲーム理論合宿で利用したパワーポイントファイルがダウンロードできます。

sna02.ppt

さらに勉強したい方は教科書を買うべし。

このページの作成には

CogniTom Academic Designによるbookreader.jsを利用しています