-------------------------------------------------------------- 10章 DISCRETE CHOICE MODELS AND TRAFFIC ASSIGNMENT (今泉) -------------------------------------------------------------- □ 昨日まで:確定的利用者均衡配分…Wordropの第一原則にしたがい,最小の旅行 時間をもつ経路を利用者が通る. しかし,観測できない要因により旅行者は確率的に経路を選択している. →つまり,旅行時間の認知が確率的である. ■離散選択モデルと交通量配分 確率的効用最大化理論に基づき,誤差項ξを確率変数として効用が最大となる 経路を選択する. このとき,確率変数の分布(確率密度関数)がわかれば選択確率を求められる. 誤差項がI.I.D.(誤差項の独立性仮定)ガンベル分布に従うとき,選択確率は ロジット型になり,誤差項の相関を考慮する場合は,正規分布に従うプロビッ ト型とする. ■MNLを用いた経路選択 旅行者が知覚する旅行時間を実測旅行時間に観測誤差を加えたものとして,知 覚旅行時間が最も小さい経路を旅行者が選択するものとする. このとき,パスフローは総フローに各経路の選択確率をかけたものとして算出 される. 確率的に交通量を与えたほうが現実に近い結果が得られる. ■交通流パラドクス 各経路の旅行時間×旅行者の総和をネットワーク上の総旅行時間とする. 経路1の旅行時間を改善した時,旅行者の選択確率が変化して逆に総旅行時間 が悪化してしまうことがある. 総旅行時間を経路1の旅行時間で微分したときの値が正になれば,ネットワー クが改善されることになる. 実際の旅行時間はそれほど変化がないにもかかわらず,「改善された」という 効果でフローが経路に集中することで発生する. ■期待知覚旅行時間 満足関数:すべての選択肢の中で最も大きい効用の期待値 効用を知覚旅行時間に-θをかけたものだとすると,最小な旅行時間の期待値= 期待知覚旅行時間となる. 道路が改善されると期待知覚旅行時間は必ず減少する.実際の旅行時間にかか わらず,期待知覚旅行時間に基いて行動することでパラドクスが起こる.