原・羽藤(2018) (発表者:鈴木) 羽藤:p21,戦略的操作不可能性.避難でも考えられる?私を置いて逃げてくださいみたいな話.パレート派リベラル不可能性原理みたいな形で説明されるので,重要. >p42,この式がなぜ効用最大化になるのかわからなかった 原:viは評価値ですよね.引き算されてるのが支払額.自分が500円払ってもいいと思うときに,100円しか払わなくてよいとなったら,その差額が効用になる(400円分の効用).ポジティブな差額を効用として定義するというのが基本的な考え方. 羽藤:どこがおもしろかった? >利用権価格の解釈のところ.出発するときに前の利用者に渡す価格と,次の利用者から受け取る価格に分解できるというところ. 原:できればVCGメカニズム説明したほうが良い. >(p26以降) 羽藤:VCGは是非元論文を見てください. 飯塚:この研究はすごくて,カーシェアリングでオークションを考えると完成されているような気がする.オークションの方向でこの研究をは…させていくということもできると思うが,最後の課題のところで書かれている,事前に入札すること.実際にはめんどくさい.全然入札してくれなくて,乗る人が全然いないというのが起こる問題.どういう方向でやろうかなというのでいろいろ考えられる方向性はありそう.僕が卒論で困ったのは,カーシェアリングは考えることが多すぎて,あれもこれもやろうとするとわけわからなくなる.予約の制御なのか,いかに車と需要のバランスをとるか(料金,再配置など)の二つに分けて考えるのが良い. >社会に実装するときに,予約を許すのか予約は許さずに再配置を許すのか,枠組みをしっかり決める必要がある, 出原:今回の設定だと,空間的な距離の概念がない.実際に車を走らせると距離に応じた可変的な費用がかかるので,オペレーションに掛かるコストを考慮すると,狭い範囲で車が行ったり来たりして,車がたまってるところから遠いところにいる人が使えないみたいな問題はあるのでは? あと1タイムステップでの移動を考えているが,実際には数ステップかかるトリップもあると思うので,そういう場合にはどうすればよいか? >OD間で距離が違うのではというのは読んでて思った.等間隔で点を置いて,例えば四つ先の点まで行きたい人は,1つずつODを区切って,次の先の点のODの組み合わせとして表現する方法はあり得る. 石井:計算時間の予測を考えるというのがおもしろくもあり,難しいところでもある. 前田:サービスの提供者ではなく,前の利用者に支払うというのが,そういうのもあるんだなと思った.時間が進むにつれて,支払額が小さくなるという感じでしたよね?そこが不思議だと思った. >支払う価格が小さくなるというよりは,時間帯が進むにつれて,その時間帯に出発することの価格が小さくなるというだけで,支払価格が小さくなるというわけではないのかなと思った. 月田:結論のところでふれられていたが,リアルタイムの入札ができず,事前に入札することのコストや時間割引や,オークションの枠組みのなかで最適な配分をするコストがどれくらいなんだろうというのが一点.あとp49の例で,エージェント5は収支-92というのは92もらっているということ? >エージェント5のおかげで,次の利用者が使える.正の外部性,いてくれてありがとうということでお金をもらえる.再配置に対するインセンティブになる. 月田:お金をもらうエージェントがいるとすると,p4の背景で言っていたドライバーを雇って配置することのコストに対して,どう優位性があるのか? 原:もともとのサービスで移動するというのは雇われているので,給料が支払われる.やりたくない移動を誰かにさせてお金を払う.今回の提案だと,需要のある移動に対してお金を払える.再配置の役割を事前に決めるのではなく,メカニズムの中で決められるというのが重要なところ.自分のしたい行動をしたことで,偶然お金がもらえる.わざわざではなく,実際にトリップをしたら偶然お金をもらえたという違い. 浦田:最後の数値計算例で,入札できなかった人は移動できてないという結果?パブリックトランスポートとしてどう整備するかというのは上位問題として考えられる?普通の電車とかメトロとかの移動があることを前提として,ワンウェイ型オークションを考えるのはよさそう. 羽藤:範囲をどう設定するかによって,ほかの交通とどう組み合わせるのか,上位問題として考えられる. 原:最後の課題のところで,数理的な問題としてはこれで完成してる.トリップ長の話は,鈴木君が言ってくれた通りに拡張できる.車両の導入コストを入れて,最適台数も決定できる.数理的な問題としてはこれでよいが,現実的な話として,キャンセルやリアルタイムの問題がある.メカニズムデザインの大家のデイビッド・パークスと議論したが,キャンセルに対して罰金(外部性組み入れ)を入れるというのがVCG以外にあって,それを入れるとよい.ただ現実問題として,罰金払ってでもキャンセルしたい場合があるので,そうすると時間接続がうまくいかなくなる.数理的にはそれでよいが,現実にはうーんという感じ.キャンセルしたとしても1時間おきに割り当てを変えていくというのでも実務的には良いんじゃないという話もあった.きれいな問題ではないけれど. もう一個の方向性は,カーシェアリングが自動運転になった場合,時空間OD接続条件がいらなくなる.それでもんだし解決?キャンセルどう考えるかというときにメカニズムデザインの方向性もあるし,技術車自体が動くというアプローチもある. 入札めんどい問題は,メカニズムを推論するという論文があって,メカニズム側が,それ以外の時間を推論して,オークションの効率性が向上するという論文がある. 羽藤:価値が違う人の組み合わせ問題として考えると.交通でも新しいサービス考えられそう.