0526 前田:「立地均衡モデルを用いた治水投資の便益評価手法に関する研究」 羽藤:p7世帯の何の効用関数? >ゾーンに立地するときの効用関数 羽藤:p10 Lって何? >ゾーンjの土地の供給量.qが各世帯の需要量で,Nが立地世帯数. 羽藤:それが均衡しているということね. 羽藤:何年の論文? >1996 出原:Non contingent EVについて.左辺がwith,右辺がwithout. 羽藤:財産はどう記述されているか?家屋とか.避難したけどゾーンに財産があるみたいな話は丸められているのでは? 飯塚:これ最初に不確実性と地域性と対象地域外を含む〜がポイントだと思うが.2とBはわかったが,不確実性はどこで考慮されている? >災害時と平時の効用をそれぞれ考えて,その効用にそれぞれの生起確率をかけて,北井光世王としている.この部分で不確実性を考慮している. 浦田:最後の例では,4つのゾーンを対象に計算している.実際に南予だとゾーンの数が多い.単純なNLであらわすのがなかなか厳しい.ゾーンごとの効用関数として他にどのようなものが入れ込めそうか?4つくらいのゾーンだと少ない説明変数でもよいが,リスクが場所によってさまざまな場合,ゾーンの数が増えてしまう.説明変数が少ないとインプットの説明変数が似たような値になって,ゾーンの特徴が表しきれないということになる.その場合,実際の地域へ適用するとしたら,こういう説明変数を入れてみたいというのはある? >ストックとか考慮しないといけない. 浦田:その場合はゾーンのサイズはどれくらい? >… 羽藤:一戸建てが被害受けると,資産被害が大きい.保険の問題.同質性を仮定して,集計化するというより,もう少し細かくやって避難みたいな話に場所場所ごとに持ち家などを絡めて非集計モデルとして扱えるのではないか?居住地選択問題として,どれくらいのゾーンのサイズが自分の問題として良さそうか.空間の記述のスケール感.10kmメッシュだと災害のあるなしがとらえきれない. >1kmくらいですかね. 羽藤:1kmの問題点はなに? 飯塚:南予だと津波を考えると思うが,八幡浜だと沿岸部と内陸部のように分けることができそうだが,小さい漁村集落だと,1kmの中に含まれてしまう.ただ小さくすると変数を見つける調査するというのが難しい, 羽藤:全部同じスケールである必要ある?細かくして広域をやろうとするとデータ取るのが難しい.細かくするところを限って,外側のところは事前復興の高台にするみたいにわけることはできそう. 原:面白いところはオプション価値の定義.洪水などの災害以外の確率が小さくないときは期待値を使いがち.社会的余剰の期待値.災害だと,非常に発生確率が小さいと過小評価になる.それも主観的な話なので難しいところだが.この論文だとNCEVを定義してやってるというのが災害時の研究にオーソドックスな指標になってよいということ.地震や津波の研究にこの考え方は重要.前田さんはどう頑張って解釈した? >地域別EVと地域別期待EVとで,何が違うのかというところp13. 原:地域サイズやゾーンをどう考えるかということに加えて,環境状態にかんして.洪水or洪水じゃないという二つを考えているが,ほかにも細かい状態があり得る.状態もゾーンも細かくすると難しくなると思うが,それくらい細かくやらないと,川の近くのひとにだけ効果のある治水投資で他の人は恩恵がないというようなことも起こりうるので,そのあたりも考えるのが重要な視点. 鈴木:結局この研究で使われているEVはNCEVということ? >そう最適なもの. 鈴木:ほかは比較のため? >これまでの便益評価手法だととらえきれていない部分がこれだけあるというのを示している. 羽藤:ほかに考えたいこと >世帯ごとに考えてもよさそう.異質性. 浦田:リスクの捉え方を他に考えるというのはできそう.投資した後のリスクの段階をどう考えるかということ. 月田:浸水深が変わったときに,便益がどうなるかという関数を見ているが,治水以外の再ギアに関しても,同じように使えそうだと思いますか? >使えそう.効用関数に浸水深が含まれているが,そこを土砂崩れの被害予測とかに変える. 羽藤:どのくらい壊れないかというのはどう表現?津波だと防潮堤つくるとか?実際の災害のシナリオに対して,同モデルを設定するのかというのが,現実工だよねというのは,捨象するところは多いとしても,こう考えたら感覚に合う名みたいなモデルを考えないといけない.そこの感覚が身につくとよい.都市を単純化して考え,それくらいのゾーンでどういう地域を考え,政策,都市計画を考える.モデルの単位がそれっぽく記述できているかというのをトイモデルから考え,モデルを作ることに慣れてほしい, 石井:複数ハザードで発生確率変わるという話,洪水発生確率はモデルでどう与えているのか?環境発生確率. >床上浸水深発生確率が現況だとどの地域も1/3となってて,投資した場合は1/5になるという定義にしている. 出原:1/5というのは治水投資目標.高木先生のこの後の論文で河川流量モデルと組み合わせているようなモデルもある. 原:保険の問題.オプション価値が重要.同じ家に住めるとしても,元の場所か高台か,家のサイズや地代が一緒だとしても,立地変更したくないという思いがある.その土地に住みたい.いろいろなモデルの記述によって,人口減少をメカニズム設計や保険の制度設計に紐づけられそうだが,それだけではカバーできない問題があるというのがあるのでは. 浦田:洪水でも津波でも,個別にやるか行政がやるかという話が合って,行政だと人を集めて,税収充てるというのを考慮して,一定のエリアでの人の取り合いが明確になる.自治体間みたいな. 羽藤:伊方町と八幡浜の間でもいろいろある.今言ってるのは下位問題.Network demonみたいに,各ゾーンにどれくらい投資するのかというのを上位問題として,一番便益が高くなるような問題として解くというのはイメージわいた? >はい 原:施策が決め打ち.本来は施策自体も決められるような上位問題を解かないといけない. 小林:この論文も面白いと思ったところが,便益定義のオプション価値が二つあって,それを両ほれ込んでるものを最適としているところ.二つのオプション価値は危険回避と地域選択の自由だが,洪水に限らず,災害対策をやったっときの危険回避可能性,選択肢を持ってる価値が重要という内容.治水に限らず,その二つがあれば,ほかの災害でも論じられそう. 児玉:災害危険区域の制度とかさ上げの方針などが,何年くらい制度として続くのかという長期的な変化が気になりました.年が経つと機能しなくなるみたいなのはモデルでは表現できるのか. 羽藤:人口減少を扱いたいときに,状態をこの論文では扱っている,復旧が長引くと人口減少が加速する.立地の選択問題が各期で変化するということを示している.2つの常態に加えて,細かい状態を時間軸状に並べて計算するというやり方はあり得ますか. >世帯数が違うと総便益は変わってhしまう. 羽藤:地主のなかで均衡がとれているという意味だと,人が抜けるというのをこの中でどう記述するか. >実施しなかった場合は,実施した場合よりも世帯数が少ないかもしれないということ? 羽藤:事後の政策実施もある.時系列上で事前にやるか,事後ゆっくりやるかというので,都市内の世帯数が変わってくる.そういう問題が記述できると面白いのではないか. 考えてみると良さそう.保険,ゾーン,どこに投資?いつ投資?生起確率どう考える?これらの問題を単純化したモデルで考えるというのがまず大事.あと実データがどういう集計データであるのかというのを念頭に考えると面白い研究になりそう. 出原:羽藤先生の最後の問立てが土地利用モデル全体の展望として重要だと感じた.ゾーン分けの話もそうだが,時間の概念を入れるという動学モデル化の話,突き詰められると面白そう. 前田:ゾーンの割方とか勉強になった. 羽藤:基本にして,モデルを新しく変えていくのが研究.モデルの設定のところを考えるというのが研究のやり方なので,みんなからコメントが出た.前田さんが式を立てて,細かな式の導出過程や解けるのかということの確認が今後重要になる.細かく考えるとよい.自分だったらこう考えるということ.