これまで熊本大学では自治体や商店街と協力し,熊本市中心市街地で回遊行動の調査を行ってきた. 紙ベースの調査に加えて,PP調査,BCals調査を行っており,複数の調査データを融合した効率的効果的な調査 手法を構築したいと考えている.また,喫緊の課題として,まちなか,交通センターの再開発にあたり, 人の行動がどう変わるのかを分析をしたい. 議論としては,加速度データにより行動を評価することに新規性があり,それを見据えて加速度データの分析やモデルの構築,政策評価を行うというのではないかという議論が行われた. == 羽藤:形態のキャリアはどこか(auなど).ここでデータの差が出ないか. 羽藤:井村君の研究は何か. 井村:PP調査から得られたデータから,位置・加速度データから移動滞在判別を 行いたい. どこに行っているのかがわかるので,それをもとに回遊行動のモデルを考えたい. 羽藤:研究室全体の中では井村君の研究はどう位置づけられるのか. PTで熊本の交通都市政策を考えている.環状線やバス路線などである. バスの再開発やまちなか回遊を考える際に,PTだけだとだめで,PPをやって,う まく評価手法を作りたいということだと思う.井村君の研究のポイントはどれか. 井村: GPSだけでは誤データがあるので,それをモデルでサポートしたい 羽藤: なにを求めたいかによって,政策変数の精度が変わってくる. 移動滞在はわかるが,細かな移動滞在によりわかる街路空間の評価を行いたいのか. それとも伝統的な滞在のチェインが作りたいのか. 行動モデルを構築するなかで,なにを政策変数に結び付けたいのか. トリップチェインプラス加速度のデータによってわかることが広がるというのが 面白いという気がした. 端末によりGPSのチップの性能が違うので,それを調べたほうがいい.versionが 違う.基本的な性能の違いは調べておくべき. 位置データを抽出はアプリでやっているのか,生のデータなのか.それによって誤差が違う. ミドルウェアになにを使っているのか. 移動滞在判別のもう一歩先をいってほしい.回遊における移動滞在がなにか. 歩いているときの加速度がどう変化しているのか.回遊は歩き方の疲労と結びつ けると面白い気がする. ランダムフォレストはデータオリエンテッドでいいが,理屈がないので,頑健性に乏しいと思う. adaboostやHMMなども含めたレビューが必要. PP,PTの融合にあたって,毎回違う手法を当てはめるのはよくないので,レビュー したうえで,きちんと手法が構築できるといいだろう. モデルの推定結果は,出発時刻が遅いと回遊時間が短くなるということか. 実験的な調査をやっており,回遊のスケジューリングモデルなので,もう少し理 屈があってもいいだろう. 柳沼先生: データを用いて判別分析をするというのがメインのトピックということでいいのか. 羽藤: IBSにはいるというつもりでアドバイスを. 柳沼: 最後に施設のモデルの話があったが,回遊と判別はアプローチが違うので,絞っ たほうがいいのではないか. 羽藤: 判別は面白くないのか. 今泉: 面白くない.判別をやって,それで終わりだと面白くなかった. 加速度データと居住関係をあわせたモデルをやって,運動量を介して,居住環境 と行動範囲の話をして,面白くなった.地元住民の中でも回遊パターンは違うと思う. PPのデータを個人属性分析を行って,面白さを見つけるといいだろう. 羽藤: 最初から方針を決めてやるのがいいのか..フレームをじっくり考えたほうが手 戻りが少ないが.解析だけしていると飽きるか. 日下部: タブレットを二つはっつけてやった理由はなにか.加速度が端末で違わないのかを知りたい. 羽藤: ユーザの端末をやるときに,機種依存の補正関数が必要である. 機種依存の誤差項をいれたらよくなるだろう. 日下部: 加速度がいる理由はなんなのか. 井村: PPデータだと,位置が荒れる.建物の中だととれないので,それを補正したい. 日下部: 交通モードを判定したいのでなければ,加速度はいらないのではないか. 井村: データの制約上,移動滞在になっている.機関判別はやりたいという話はあった. 羽藤: 加速度があるとなにができると思っているのか. それを研究の中で,示す必要がある.GPSに対してどうなっているのか. 段差などは回遊に結びつき,それは加速度でわかる. トリップという概念であれば,GPSでいいが,施設の中でもなにをしているのかを理解できる. バスセンターの中がどう使われているのか.施設内のストップ数までを評価できる. 建築内はノード(滞在)としてしか分析できなかったのを変える観測ができる. 滞在を細かく分析するということだろう.webダイアリーで2ストップであった のが,加速度だと細かくなる. リンクトトリップとアンリンクトトリップの違いを細かく見る. 回遊モデルでいろいろとできるが,なにを判別できるかを細かく見るというのも 手である. 回遊モデルをあんまり細かくしていくというよりは,政策的になにを回遊で表現 したいかを考えたうえで,分析した加速度のデータをいれこむといいだろう. 若林: 中心市街地への流入手段はとっているのか. 駐車料金による回遊時間の違いはみられるのか. 井村: 2時間で料金が発生するので,それにより短くなるという分析ある・. 若林: 回遊は制約により抑えられるので,そういった分析も面白いと思う. それに加速度をからめると,訪問手段までを範疇におさめてやるといろいろできそう. どこをアプリ開発で苦戦したのか. 井村: アプリ実行のときによくわからないエラーが出ている. 情報が画面間でつながっていない.シミュレータで回すとうまく動作していない. 羽藤: アプリは環境依存なので,計算とは違う話だろう. 福田: プロムナードをつくってどうなるか.地元の人と観光客の考え方がいろいろあっ て,郊外ではなくて,中心市街地というのはどういう人か. どう考えてきているのかによって,回遊行動の違いに表れているのだろう. 羽藤: 実際にはマーケットセグメンテーションがあり,回遊の仕方が違う. それぞれのゾーンから入ってくるので,どういう流入リンクと周辺部開発なのか といったことには理屈がいるだろう. プローブも含めたデータがあれば,回遊のセグメンテーションは可能だろう. どういうものをどういう風に作るのかを考えるべき. 回遊の向上とはなにか. 井村: 原罪は,電車通りによって分断されている. 羽藤: 分断されているのがいいかもしれない. 芝原: 熊本は歩きづらいと思う.川は休めて歩きやすいが,まちなかは休めるところも ないし信号もある.歩きやすいプロムナードをつくれば,回遊が広がるというの は評価できそう. 移動滞在が交差点に集中すると思うが,プロムナードをつくるとそこに滞在がう まれて,行動がかわるのではないか. 羽藤: 信号なしで渡れるようになると,そこに集まるようになって,,か? 空間の中でどこで時間を使うようになるかは変わってくる. リンクが歩きやすいので,そこに集中して,人が流れるという仮説であれば,リ ンクの中で歩きやすい,歩く効用が高い場所の加速度を分析するということか. 森部: 滞在時間が長くなることと,回遊性をあげることと,そのときにどうやって評価 すべきなのか.滞在時間のモデルをどう評価するのか. 羽藤: 政策変数がわからないということか.歩道幅員やゾーンダミーを滞在時間モデル に入れればいいのではないか.経路依存で行動がおこっているだろう. ゾーン別の滞在時間という考え方にしたらいいのではないか.