バス需要と供給側の台数の戦略を考えたうえで,持続的なバスサービスの供給を考えたい. 経済学分野のモデルを取り入れるだけではなく,都市分野や交通分野の固有の問題を解いているという形に するためには,空間をいかに考慮するかが大事である. == 羽藤: 台数をだんだん増やすというのはなんなのか.サービスとしてやりながらやっていくのはわかるが,本質的なことなのか. モデルとして重要なのか. 藤垣: 予測の齟齬に対して,どう対応するのかというのを考えたい. 羽藤: 果たして,理論的に面白いのか. 前半の関数は一般的なレベニューの式であるが,面白いリサーチクエスチョンはもっとないのか. これからの研究の発展性はどこに向いているのか. 藤垣: 需要モデルの不確実性をぶれたときに一般的に探索的に最適水準を定められることが出来ないかと思っている. 羽藤: なんの概念がリサーチクエスチョンがあるのか.現象として面白い話がもっとあるのではないか. 藤垣: 定まっていないんですが,複数均衡が料金だけでいいのか. 羽藤: 空間的な概念を入れるということではないか. 行きと帰りの関係やネットワーク効果を入れるとかはあるのではないか. 固有の問題にもうちょっと落としこめるのではないか. この手のやつは抽象度を上げるほど,どこかで見た話と同じになる. 計量のデータは重要であり,実装も含めてやろうとしている中で,注目している点はなんなのか. 需要がものすごく少ない場合のサービスをどうやって成立させるのかが面白いと思っている. 対象のスケーラビリティが重要で,100人と1万人ではサービスの内容が違うはずである. オンデマンドにおいては,少ないことにどう対処するのかが重要である. 藤垣: ネットワーク的・空間的に考えるにあたって,マルチエージェントシミュレーションでは考えられるが,, 羽藤: やったらできるというよりは,面白い現象はないのか.固有の現象を抽出して考えなくてはならない. 藤垣: 乗り合いというよりは,定額制タクシーをやろうと考えていた. 定額というのは乗り放題である. 羽藤: それは税金ということになる.そういう問題として捉えることはありうる. 公共交通の捉え方として,定額制は問題になる. 藤垣: パブリックではなく,プライベートの中でうまく動くことができないかというのが発想の着眼である. 少人数の中で,タクシー会社と連携して,うまく動く.そして,それが大衆化するということがあるのではないか. 羽藤: 一人のサービスの特徴は何か. 藤垣: 他の人からの干渉の少なさである. 大衆化する仮定で揺れが出てくるが,高くていいから細かな対応をしてほしい層と安くても待つ層がある. 羽藤: 流しのタクシーとどう違うのか. 森部: 好循環が生まれる場所が二ヶ所あるということだが,どうやってそのグラフが生まれるのか. 釜石のように,需要が疎でバラバラで,人数も少ないというのはどう表すのか. 藤垣: 80人の村に80台の無料タクシーから始めて,どこに行きつくのかを考えるといいのではないかと思っている. 羽藤: 交通機関の転換障壁があるということだろう. 車からの転換の話はどのように扱うのか. 藤垣: 自動車保有費用と同等の定額チケットを渡すということを考えている. 羽藤: 田舎だと,結局車のほうが便利なので,転換しないのではないか. 藤垣: 団地で1000人くらい居れば,車よりも安い. ただし,それより少ないとどうなるか.どの程度の移動距離なのかによっても異なる. 福田: いまのバスの減っているところは,本当にここで示しているグラフのような動きをしているのか. 藤垣: 郊外団地はこれから高齢者が増えて,需要が増えるはずなのに,バス事業者はそれを考えずに,低位均衡しているという問題があると思う. 羽藤: 需要の束ね方みたいな話がある.復興集合住宅にすれば,オンデマンドがうごきやすいといった話があれば面白い. 大山: どういう都市にこれを適用して,どういう問題を解決したいのか疑問だったが, 大都市圏の郊外であれば,使えると思っているということでいいのか.