######################### 発表者: 藤垣 論文: A model of the vicious cycle of a bus line ######################### バスの悪循環モデル 悪循環→事業者側の費用決定、利用者の利用決定がある前提で、 事業者がコスト減のために不便→利用者減→頻度減 好循環はその逆 目的 相互作用プロセスを構築する 循環プロセスを理解する 仮定 利用者は運航頻度だけに反応する→許容待ち時間、と頻度から利用者数が決定する ・許容待ち時間の推計 負担が大きく感じられるので重要 分布がどうなっているか→既往研究での調査を用いる ・ダイナミクスの導出(漸化式の導出) バス固定層と選択層の割合の設定 g→バス固定層の割合、それ以外はバス選択 バスを利用するしないの定数 a,b設定 使う人=前日に使ってた人+(許容時間に来る確率)×(使ってなかったけど、使ってみようと思った人)-( 使うのをやめる人)×(許容時間に来ない確率) 許容時間よりも短い場合だと →許容時間内に来る来ないの確率がなくなる 利用者数=固定層+先の式で定式化した選択層 ・利用者の安定化 事業者は4半期ごとにダイヤを改正 ダイヤ改正→利用者変更→均衡→ダイヤ改正→繰り返し ##### 意志決定の時間概念がない 高速道路の無料化をいつにするかというのを考えられないか インフラ、維持管理などの話には近いか ##### ・利用者行動の簡略化 先ほどの漸化式を用いれば利用者数が推計できる. βが相対的に大きいと運行間隔より許容待ち時間が短いのに乗っている人は減る (運行間隔に対する反応が悪い人) 反応がいいとすると積分によって簡単に利用者数が求まる ・バス事業者側の行動 最適な利用者数/バス台数 事業者はn人ごとに一台増やす 先ほどの利用者数の式を漸化式をつくるために式変形 初期値を入れれば全てわかるようになった ・循環の分析 45度線より上からスタートだと好循環がうまれ→安定均衡点に達する 二つ山があるとき→安定均衡点が二つあり、また不安定均衡点がある. 固定層小、利用者多い→不安定均衡点がある gが少ない場合利用者数によって均衡点の値が変化するのがわかる. ・モデルの拡張と応用 頻度を増やして好循環に持ち込むための手段→バスのサイズを小さくする mを小さくすると運行本数が増えるので好循環にいきやすい 徐々に不安定均衡にいくのではなく急に進む 循環バスの路線選択問題 二つの環状線の候補がある. 1路線か2路線か gが大きいとき→固定層が多いときは使ってくれるので2路線がいい gが小さいとき→2ルートだと低い均衡に陥ることがあり、1ルートの方がいいかもしれない 結論 不安定均衡にあるような場合運行頻度を増やすという条件で一時的な補助金を いれればいい 質疑 ・α、βが死んでいる気がするが →実際にはβが大きければきれる ・一日の変化を捉えられたりというのがなくて意味がないような パラメータで表現して実際はβが大きいのでという流れ →ひとまず検討することに使っているだけ.もっと分析、推定することが 可能だと思う. ・朝はいいが、昼とかは許容の幅が広がるので、時間によって料金を変更する ということを考えた場合は今の仮定ではできない. →初期の仮定が全員つかっているとしている.昼だと許容が変化するというwilinngness to waitについてαも個人ごとに分布が異なるはず.そこも分布で表現する.αとβの分布 ・逐次的に利用者に対応してる.事業者側はどうなるか予想して変化させていると思う. 入れ子の話になってくる. →わりと考えないバス事業者を仮定している. ・利用者は逐次的に行動するとして、事業者側の一方的な入れ子 →バストリガーみたいに相互入れ子も考えられる. ・バス事業者の意思決定はこんな感じか →車両、人件費があるので、こんなに逐次的に変化させることはできないと思う. ただ、行動だけをみると運行頻度を下げるだけという反応は割と一般的. ・入れ子にしても均衡点に行くのは変わらない気がするが. →入れ子で関数の形は変化するので、均衡点が変わる. ・右上に均衡点がある場合は現実にはどれくらいあるのか →ベルリンのバス 市バスが悪循環に陥ってるときにサービスを刷新し頻度を上げたら 一気に上がった.金沢のバストリガーもダメ元で投げてみて不安定均衡の上に行くかどうか というもの ・実際にどの段階なのかはどうやってわかるか →人口、運行頻度とかが分かれば検証は可能だと思う. ・車両の現段階での状況をどう知るか.分からないと計画が立てられない. →わからない気がする... ・固定層は分かる.一年とかの利用者数からわかる ・PT調査ではモデリングができない.ICカードとか ・利用頻度で聞くとわかる. ・PTを2回やるというような考え方が一番わかりやすいと思う. →路線ごとの密度がとれない. ・世田谷線の頻度などは行ったりきたりしてるので表現はできてる気がする. →入れ子の予測しての行動の話。予測の探索範囲をつけると面白い。 すごく低いところにいる場合は近傍しかない.本当はそれを超えたところに 解がある.分析の仕方を変化させたときの運用の話が変わって来る. ・mをいじっていたが、バスの総容量は変化しないのか.乗れない確率は高くなるが、 頻度は高い.乗れないリスクというのがある. →乗れない不確実性を考えると変わって来る. ・ただそのような状況は現実的にはあり得ないと思うが... ・本当に小さいマイクロカーみたいなのだと、立ち乗りできないのでありえるかもしれない. →そうすると容量の問題が効いてくる ・待ち行列に近くなってくるか. ・日本の密度ではバスの方がいいのか →オンデマンドのバスか9人乗りかみたいなのが ・需要がそこそこあるところだといいが、端っこの方にあることが日本は多いのでそちらを 考えた方がいいか →期待待ち時間を変化させる