Kahneman, D. and Tversky, A.: Prospect theory: an analysis of decision under risk, Econometrica, Vol.47, pp.263-291, 1979. 若林 概要 従前の期待効用理論では表せないものを表現しようとした (理論は詰められていない) ○期待効用理論 ・リスク下での意思決定を記述するときに用いられる ・効用を最大にするように行動を行う 結果と確率の組みをプロスペクトという ○公理 ・期待効用 期待効用=確率×結果がでたときの効用 ・操作を行った後の期待効用が大きいとき操作をやった方がいい ・リスク回避 プロスペクトは上に凸 期待効用は確実な効用の方が大きい(リスクを回避するので) Allaisのパラドクス 問題1 必ずもらえる方を選んだ 問題2 少し確率低いが多くもらえる方が多い 期待効用理論では説明できない状況が起こる 低いなら当たった時に大きい方がいいと考える→ 利益を得られる確率が低くなるとリスク評価が高い ・反射効果 失う側の話 もらえる場合とアンケート結果が逆になっている 損失の場合リスクを選好する傾向がある→反射効果 ・確率的保険 悩んでいる=見積もりが同じ 保険に加入しないと答えた人が多数 期待効用理論では.. 保険未加入時=確定的保険のとき 逆の結果が得られる ・孤立効果 共通の要素を排除して考えるときがある 要素の分解の仕方で異なる選好 金額だけを質問した場合と異なる結果が得られた 全体にステップ1の状態を考えるのが期待効用理論 しかし、ステップ2に進んだ段階での意思決定をすることがあるため 結果が異なる →表現の仕方によって選好が異なる 効用に影響を与えているのは最終的な状態ではなく財の変化量である (マイナス〜とかプラス〜) 期待効用理論では表せない減少 ・リスクに対する感度 ・損失に対するリスク選好 ・表現方法による感度の違い ・プロスペクトの編集 Coding:利得、損失の評価するための参照点(基準点) Combination 同じ結果をまとめる Segregation: 確定とリスクに分ける Cancellation: 共通要素を取り除く その他まるめによる近似、支配的な選択肢を取り除く ・プロスペクトの評価 確率に関する感度π 変化を表すv の関数 価値関数・確率加重関数 価値関数=偏差、差分によって定義 損失の場合リスクを好むので下に凸で損失の傾きのほうが急 500円なくす方がいや 確率加重関数 小さいとき確率がおおきく見られがち まとめと課題 期待効用理論では説明できないことがある そこでプロスペクト理論 価値関数と加重関数を用いる 課題 参照点の取り方は個人によって異なる 関数形が定義できない 高取 歩いているときにものをみるとか時間的に変化するものは繰りこめないか。 →参照点が現在の状態で動くことで価値が大きくなるとこを選択する。 ミクロな話だと直近で一番いいものを選ぶ。結局今とどこを比較するのか わからない。 高取 近いとこ遠いとこなど両方みて選ぶと思う。 この理論で経路選択がかけるのでは 参照点が動く →参照点は方向が決まってれば カルロス ロスとゲインお金なら分かりやすい 都市計画問題としてはどんなのがあるか。 →再開発をした結果客が増えたときゲイン  そのときにかかった費用はロス  ただスケールが異なる カルロス ゲイン、ロスなどは人によって異なる 羽藤 行動モデルではどっちを選択するかで効用をいれている カルロス プロスペクトでは同じものでも自分のレファレンスポイントがあるから ゲインだと思えば行動が変わるしリスクだと思えばリスク選好になるし。 どうやって定義するか。 羽藤 交通でははっきりしてると思う。 浦田 目的地選択ならロスは移動。近くの公園にいくか遠くに行くか。 遠いとコストに幅がある。一方で近場だと確定的。 羽藤 ロスの方を重くみて居住選択だとリスクが多いときローンなど組まない。 伊藤 都市の問題でゲインが凸は本当か。集積の経済で指数的に大きくなると思う。 羽藤 居住形態選択では長期的なリスクの取り扱い。 絞り込みとかがよく当てはまる。 浦田 選択肢が多くないので共通の部分は取り除くことができる 中西 売る手間などを考慮しているのでは。 しかしめんどくさい買ってしまえという人は売る手間など考えてない 羽藤 宿題プロスペクト理論における居住地選択を考える 見かけの買った買わないではだめで、構造的に頑健なモデルのために このようなプロスペクト理論など。経路選択も同様。 芝原 基準点を関数でとるとはどうゆうこと →基準からの差。今いるとこから次にどこにどれだけ進むかということ。 伊藤 経路選択における不確実性などは表現できるかもしれない。 中西 渋滞情報が与えられたときに強行するかどうかみたいな めったに混まない道が二つあって、効用関数で定義すると変な配分になる のでそれをプロスペクトを用いるといいかも 分かっている方が得られる効用が大きいので選ばれがち 児玉 地区内でのどこに行くかみたいなのは →行ったことがないとこはリスクが大きいのであんまり行かれない とかはday to dayのデータでわかる。 中西 期待値と確率の関係。 児玉 参照点の更新。 羽藤 参照点がライフサイクルの中で変わって来る。それもそもそも確率的。 今泉 価値関数の形から個人属性などが分けられないか →アンケートとかで形を定めることができるかも 大山 選択が段階的になっている。 小さい公園と大きい公園で中心市街地に入ったときにどっちにいくかと、 外から向かうとどうかなどが考えられるのでは。 羽藤 順番が効いているはずだが、回遊モデルなどでは表現できない。 避難モデルなどは典型的に表現できそう。 伊藤 期待効用理論に問題があるからプロスペクト理論という流れなので、 期待効用理論で失敗したときにそこにプロスペクト理論を用いればいいのでは →探せばケーススタディできる。 羽藤 あらさがしで評価された。4段階推定法などのレガシーの瑕疵を指摘して 新しくする。 → プロスペクトを積極的に使うというより、万能じゃないことを意識してその 範囲でやりましょうということ。