■Introduction ・プランニングにおいて需要予測が必要 ・完璧なODデータの収集は困難 ・住宅~商業地の行動データ+断面交通量データの組み合わせを使ってODを予測 ■データ ・事前OD分布 ・交通量データ + ・駐車場調査データ ■3つの仮定 1.自動車は自宅から来ている 2.ゾーンのセントロイドは駐車場である 3.時間の影響は無視している ・調査時間とOD推定したい時間帯が異なる場合は充足率fで修正 ■MEUSE ・目的関数はOD交通量とリンク交通量の観測値との差の2乗値の和を用いる.これを 最小化する. ・リンク交通量はflow independentで算出した結果に基づいて配分している. [質問] 柳沼:リンク交通量は数式を介しているので,リンク交通量とOD交通量を同時に最小 化できないのでは? 浦田:計算式がflow independentなので計算可能になっている.実際の配分を行うと 計算できなくなる. ・駐車場調査の結果も含めて拡張する.出発地の空間分布は駐車場調査により誤差な く与えられていると仮定.OD交通量を駐車場調査を行った区域と行っていない区域の 2つの式に分解. ・充足率fjもODによって異なるので,tの観測有無で分類.充足率誤差もなるべく小 さくするよう目的関数に加える. ・各項に重みづけをする必要がある. ・第3項(実際の駐車場調査)の重みづけパラメータは,駐車場調査の分散に関する 項. ・第4項の重みづけは分散の逆数と同じオーダーのパラメータをかける.観測OD交通 量と真のOD交通量の関係式は超幾何分布を用いて整理する. [質問] 羽藤:信頼性とはどういうことか 浦田:得られるデータは部分的なデータなので,信頼度が異なる. ■小規模ネットワークでの試計算 ・一般最小2乗法と比較して,観測値を使っている分,誤差値は小さくなっている. ・駐車場数が多いほど,モデルの精度も高くなる. ■ケーススタディ ・Namur(Belgium)で検証を行った. ・106ゾーン,事前ODは人口とリンク分布から算出した. ・リンク交通量と比較した結果,かなりの精度で当たっている. ■まとめ ・OD推定の手法を開発した.駐車場調査データを活用し,適用結果からも手法の優位 性が示された. ・配分の計算方法に改善の余地がある.(flow independentなので) ■質疑(敬称略) 柳沼: flow independentでざっくりしているにもかかわらず,よく当たっている.観測した 駐車場のデータをくっつけたら改善したという認識でいいのか. 浦田: 駐車場ODなどのデータがあるのに人口分布のみを使っているので,他のデータも使っ た方がいいというもの. 柳沼: 他の調査も追加していけば精度は上がりそう. 浦田: 重みづけの方法がテクニカルなので,計算が困難という点はあるが,確かに他の調査 なども追加していけば精度は上がりそう. 伊藤: セントロイド106個とあるが,ゾーンの取り方はどうなっているか. 柳沼: パーキングがセントロイドと書いてあるので,1対1程度ではないか. 伊藤: 駐車場が集約しているとゾーンが細かく分割されすぎるのでは. 浦田: ゾーンの大きさが小さくなりすぎるようであれば,集約するなどの対策は可能では. 山崎: 事前のODのゾーンの分け方に準拠しているのか. 浦田: 事前のODデータも利用しているので,ODは同じデータを使っていると思われる.この 論文では,事前のODと駐車場ベースのゾーンに関係性がみられない. 若林: 駐車場に来た車の出発地が自宅となっているが,この誤差は補正できないのか. 浦田: この調査では行っていないが,PPを使えばトリップごとにリンク交通量を使うことは 可能. 仲西: 観測した駐車場データを利用する方法は,確かに駐車場のあるゾーンの値は良く当た るようになるが,フラットに当たるモデルの方が良いのでは? 伊藤:ODで終点のデータを取り扱っているが,ETCなどの途中点の交通量データは使 えないか. 浦田: 事前分布のODの補正を目標としているので駐車場データを利用している.確かにプ ローブ×ETCなどは使えそう. 仲西: OD交通量の精度を求めるだけならば,リンク交通量は不要なのでは.同時に推定する 意味は? 浦田: 論文の第1項,第2項を読むと,ODの真値はわかっていないが,リンク交通量の真値は わかっている.真値の分かっているデータで補正するのが正しいのでは. 仲西: 新しいデータが出てきたときに,その項をどんどん加えていっていいのか.重みづけ がなんなのか分からない. 柳沼: 重みづけはあるが,それぞれの項を足し合わせているだけなので項は独立している. 今泉: 式展開がよくわからない.第2項のfは結局何なのか. 浦田: Tをftと分けることで,元の式の第1項を2つに分けている. 羽藤: ゾーン内に代表駐車場みたいなものを設定して,という考え方ができる.エントリー ポイントを類型化するのが有効か. 羽藤: flow independentは果たして効くのか.配分モデルはあった方がいい.それよりも超 幾何分布をつかって何かできないか. 羽藤: 周南とかで駐車場でなく,施設を仮定して出来ないか.