Intermodal hub-and-spoke network design Incorporating multiple stakeholders and multi-type containers, Qiang Meng, Xinchang Wang, Transportation Research Part B, Vol.45, pp. 724-742, 2011. ●概要 Intermodal freight transportation(様々な手段で,様々な荷物を輸送すること)を効率的に行うためには,どのような荷物輸送戦略をとればいいかについて,配分を行うモデルを構築して検証を行う.ステークホルダーには荷物輸送者・荷物積み替え業者・荷物配送請負業者・輸送ネットワークの計画者がある.限られた予算の中での輸送コストを最小化できるネットワークの形成(Intermodal Hub-and-Spoke Network Design : IHSND)を行う. ●設定 ・物理ネットワーク(ハブとスポークから成る実際の道路・鉄道網を反映したネットワーク),配送ネットワーク(交通手段別,配送請負業者別の荷物輸送経路を反映したネットワーク) -同じ手段で複数のキャリアーを考慮しているが,国際物流レベルではいいが, 現実的ではなく,トラックはトラックでまとめても良いか. ・輸送コストの設定 -全体コスト最小化のため均衡制約付き数理最適化問題(MPEC問題)を解く. ・解法 -遺伝的アルゴリズム(HGA,ヒューリスティックな解法)を用いて解く. -EEA(exhaustive enumeration algorithm)とHGAの結果を比較する. ●モデル ・スポークノード間で荷物を輸送し,ハブノード(港湾など)で荷物の積み替えを行う ・ネットワーク計画者はリンク容量増加,ハブに関わる新規リンクの作成,スポークノードをハブに変える,積み替え容量を増加,ハブ内の新規積み替えラインを作成などの戦略をとる. ・ネットワーク計画者が戦略を取り,配送業者が荷物経路選択を実施する. ・配分コストは,荷物流の関数として表される配送時間と,荷物運賃の合計で表され,荷物流の等価最適化問題として利用経路選択結果を導く. ・配送時間は,交通量からBPR関数を利用して出す. -リンクに交通容量を考えBPR関数から配送時間を算出するのは国内だと重要性が薄い.どのくらいのコンテナとリンクが用意できるかという方を考えた方がいいかもしれない. ・次に選んだ戦略によって定まる容量制約条件のもとで,各コンテナの輸送に大してコスト関数を設定し輸送コストの合計を最小化(輸送者,積み替え業者の利益最大化)するモデルを解く. ●結果 アジアの広域物流ネットワークを対象として計算を実施している.HGAの方がEEAより計算時間が4倍ほど早い. ●おまけ ・社会ネットワークに読み替えることができる. インターモーダル:リンクの非等質性 ハブ:組織 積み替え:組織内でのの情報交換,翻訳 ・ハブの中にアクターがいてアクター同士の情報伝達があるとマルコフ配分はおこらない. ・ハブに入ったものが自分で処理する確率と隣の人にふる確率を定義すると配分問題として配送経路とかが解ける.これで仲のいい悪いがわかるかもしれない. ・プロジェクトと言う概念をどう入れ込むかが難しい.プロジェクト内の役割を情報伝達経路として記述するか,ハブ自体がプロジェクトとするかなど. ・社会ネットワークの場合問題は最適化問題として厳密に解かなくてもいいので組織の変化とかを記述できるとよい. ●議論 ・到着時間制約は定義されているのか?貨物の量は?→今回では考慮していない. ・被災地で考えたときは客目線の視点が足りてないか.代替ノードがやられたときどうリスクヘッジしていくのか,そういう時どこからどこにいくのが弱いかみたいな考えが重要. ・ネットワーク計画者は何を目的に戦略をとるのか? →予算の条件の下で最適なネットワークを作成するように動くが,路線競争を行うので本来ならば自分の利益になるはずの特定リンクに荷物を流すように戦略を設定する.計画者間の路線競争の下にintermodal operatorの最適化があるのが自然である. ・シェアリングだけでなくポートをどこに作るかを考え,他の交通手段との接続性が変わった時にどう交通量が変化するか,どういう配置にするという話と似ている. ・この論文は配送センターの場所,フローが一律に流れている時にどう考えるかという論文.アウトカムは総輸送コスト最小化である.駅の評価とかはこれで考えるのがいいかもしれない. ●要約 Intermodal freight transportation(様々な手段で,様々な荷物を輸送すること)を効率的に行うためには,どのような荷物輸送戦略をとればいいかについて,配分を行うモデルを構築して検証を行っている.ステークホルダーは荷物輸送者・荷物積み替え業者・荷物配送請負業者・輸送ネットワークの計画者である.限られた予算の中での輸送コストを最小化できるネットワークの形成(Intermodal Hub-and-Spoke Network Design : IHSND)を行う.輸送コストを求めるためには,まずBPR関数を用いて配送時間を算出し,それから等価最適化問題を解くことでネットワーク配分を行う.輸送コストは配分された交通量の関数として表され,ネットワーク計画者の行う戦略に従って制約条件が決められ,全主体の輸送コストの合計を最小化する.この計算には遺伝的アルゴリズム(Hybrid GA)を用い,EEA(exhaustive enumeration algorithm)の計算結果と比較して評価する.アジアの広域物流ネットワークを対象とした結果としてHGAでは解は一意に定まり,EEAを用いるときよりも4倍程度計算速度が上昇することが確認された.