the effect of social comparisons on commute well-being 社会的比較が通勤満足度に与える影響について ○目次 ・背景 ・概念 ・モデル ・推定 ・結論 ■1章 ○「社会的比較」:自分と他者を比較すること 社会的比較が移動満足度や選択行動にどう影響しているのか 羽:欧米で言うソーシャルって? 中:パーティーに行って友達の友達に会う   誰かを通して知らない人に会う   家族ごとディナーに呼ぶ 羽:同質性をどう考えるか? 中:一次の友達とか,その友達は二次の友達とか 池:準拠集団 自分が意識している範囲 羽:日本だと広くて薄い(同質性が高い)   欧米は階層性がある   日本でも本当はある   これから日本で同質性がどんな意味を持つのか ○社会的比較について 1.他の選択肢の認知    他人の満足やアドバイスによって選択肢の魅力度を判断する 2.準拠集団における行動規範慣習との比較による自身の行動の評価    自身の行動の正当化 3.他人の選択との相違から生まれる感情(幸福感、劣等感)    →この部分に着眼 羽:2は具体的には? 野:フランス料理に行く時はちゃんとした格好みたいな規範 原:地下鉄は黒人が乗ってるから乗らない 羽:2はコンテクストっていうイメージ   1は行動モデルで記述できそう   2はプログラムが持ってるコンテクストに対して自分がどうふるまうのか(空気を読むみたいな話) 原:高速道路でめっちゃ遅い車とかは空気を読めていない 斎:違法駐車とかも,他の人がやっているからというような話はある 二章では,比較により得られる社会的なギャップが相対的幸福度に結び付く 例えば、会社まで2時間の人と、歩いて10分(幸福)の人のギャップ 中:二時間かかるけど家広いからいいやみたいな価値観の違いもある 池:論文の中では交通に関する比較 羽:日本人は相対的に考えやすい 中:日本人はもともと同質性が高いから相対化して考える 三章以降では,実証的なモデリングを試みる ■二章:概念の枠組み ・枠組み 他者の行為が直接的に働くのではなく、他者の行為が相対的幸福度に影響を与え,それが自分の行動に働きかける ・枠組みの拡張 潜在変数x* 態度・認知・性格等をあらわす(この調査では、アンケートにおける満足度の5段階評価) ■三章 仮説:移動満足度は準拠集団に属する他人の通勤状況と比較して自らの通勤をどう感じるかによって決定される 決定要因 「通勤属性」:通勤時間や費用,ストレスや楽しみなど 「個人属性」:ストレスの感じやすさ,生活の満足度など 「相対的幸福度」:社会的比較と個人内比較(以前や、想定していたものとの比較) ○アンケート ・通勤満足度 ・通勤属性 ・個人属性 ・仕事について ・社会的比較→自分の通勤状況に似た人を想定してもらう        その人の通勤手段、比較した時のストレスレベル        通勤時間の差 ・個人内比較 羽:階層間というよりは、階層内の話(似ている人ってことなら)   野末さんの準拠集団は? 野:家族、会社(部長はファーストクラス)   何をファミリア―って言ってるのか、距離とかじゃないか 浦:通勤て話だとやっぱり会社の中の話が主   個人的には誰と比べるかには興味が無く,自分の中での比較はある(個人内比較) 原:自分も他人とまったく比べてない 國:同じ高校に通ってるけど、あたしは遠くてあの子は近い   この場合,高校は必ずしも自分で選んでいない場合があるので,比較が行われる ■四章 構造方程式モデル 「構造方程式モデル」:直接観測できない潜在変数を導入して、潜在変数と観測変数との間の因果関係を同定する統計的アプローチ            因子分析と回帰分析を拡張した統合的手法 本研究では,モデルが3つのパートで構成されている -構造方程式:回帰分析 -測定方程式:因子分析 -閾値モデル:因子分析 ○モデルの構造 ・閾値モデル 正規分布に従う潜在レスポンス変数を基準化 ・測定方程式 潜在変数を同定 ・構造方程式 潜在変数を説明 ○推定結果 -ストレスは通勤満足度を低下させる -楽しみは通勤満足度を増加させる ・ストレスの要因  時間の長さ、ばらつき、混雑 相対的幸福度(社会、個人)は通勤満足度を増加させる ただし影響する強さはストレスや楽しみに比べ低い 社会的な相対的幸福度は通勤時間の比較による影響が大きい ※徒歩や自転車の相対的地位が高い ■まとめ 社会的比較による相対的な幸福度は効用や満足度という形で選択行動に影響を及ぼす しごとへの通勤における社会的比較の影響を構造方程式モデリングを用いて実証 課題 選択結果を評価しているのみで、選択行動の効用を表していない 原:社会的比較が効果が無いということだったけど、少なくともストレスや楽しみと区別できたというのは成果 伊:同じようなODを持った人の中の比較はあるのか 池:そうすると何を比較しているのかがわかりやすくなる   まったく異なる人と比較することは難しい 羽:公共交通で動けばいいよと言っても遠すぎるとかだとやっぱり動かなかったりする   高齢者が駅から離れていることで疎外感を感じているとか、それに対して税金を投入することは賛同を得られるのかとか   このような移動権に関わる問題は被災地とか地方部に行くとわりと良くある重要な問題   海外だと社会的な階層があるから重要   日本は住んでいる場所が階層化してる 野:横浜デマンドバス調査   歩いて10分の距離で全く違ったりするので、バス停までの距離とか坂とかがかなり効いてきている 羽:通勤の混雑とか幸福とかが今までのトピックだったんだけど、通勤以外の健康とかが次の交通計画のトピックモデルはつまらない 原:伊の話だと、準拠集団というと似ている人を想起しちゃうと思うんだけど、socialって違う階層とってことだと思う   この前のウォールストリートのデモとかは,違う階層の人と比較してしまったために起こったようなもの 羽:政策としては、通勤満足度とか生活満足度を高めるってこと   野の研究だと、プログラムに関心のある人の中でみたいな話(サブカルを空間的にどう配置していくか)   渋谷が子供化してるから大人が行かないとかみたいなことは選択行動に影響を与えている     大村は行く場所によっておしゃれするのか? 大:しない 伊:この方面にはこういう人が住んでいる、あんなとこに住んでるのかみたいな 中:プランナーから見ると混ざってる方がいい 羽:混ざってるとサブカルが生まれないとか 中:集まってる方が安心とかもある 羽:空間的に集まっているかばらけているかは何をした後何をして何をするのかという問題   書ピン具センターとかだと距離をおいて店舗をばらけさせて滞在時間最大化とかが考えられている