the Costs and Benefits of Ownership:A Theory of Vertical and Lateral Integration 所有権に着目した費用便益:統合理論 ○問題 -企業は数多くの他の企業と市場取引を行うことで企業活動を遂行している -一方で,企業は生産工程を内部化し,内部取引を行うことで企業活動を遂行している -市場か組織か,どちらと契約を結ぶのがいいのか ○williamson(1975)は市場取引コストに着目 1.限定合理性;全ての事態を想定して盛り込む完備契約はできないことになる 2.機会主義的行動:契約にないことについて、人間は機会主義的行動(自分にとって都合のいいような行動)をとる ・例  二つの企業の当事者が長期取引において関係特殊投資を行う  自動車メーカーと部品会社(メーカー特有の商品をつくる)  関係特殊投資を行った側が弱みにつけこまれ、不本意に譲歩を強いられる可能性がある(ホールドアップ問題)  関係を断たれてしまうと部品会社は大きな損失を被る  リスクヘッジとして,他のメーカーの部品も作る方が良い ----- 限定合理性とは? 合理性の逆.情報不足のために合理的な判断が出来ないこと. 機会主義的 私的利得の獲得を目指し,形勢を見ながら優位な方につく 不完備契約 契約をする際に、細かい条件を決められないもの --------- ○このような克服方法は? 両当事者を一体の組織にすること つまり,結局企業の境界がどうあるべきか(市場取引と内部取引)という従来扱われてきたような問題に帰着 本論文は,企業の境界を,契約の不完備性を前提として分析を行っている ■1 企業「所有する材によって構成される」  特定的権利:契約で明記される権利  残余的権利:契約で明記されていない権利 契約が膨大で明記にコストがかかる場合、所有権を獲得することで対処 ■2.統合とは 買収すれば統合が発生し、一つの企業が形成される 羽:残余的権利って? 植:例えば火力発電会社と採炭会社を考える  不純物が含まれていると発電所でうまく発電できない  最初の契約時にすべての想定される不純物を列挙して個々の契約を示すことはできない(不完備)  再交渉時,つまり事後的には混入物を特定化することは可能(全ての情報が既知となる)  不純物がどれだけ含まれているのかを予め全てリストアップすることは難しい 斎:コントロールってどんなコントロール? 植:電力が得られないので不純物を取り除かなければならない 羽:不確実性についての権利をどちらが有するのかを決めておくってこと?   カーシェアリングとかで返すのが遅れた場合、次の人に不利益がかかる   その不利益を前の人が負担しなければならないということをあらかじめ決めておく    -企業が非統合の場合  残余コントロール権は各企業の所有者が行使 -企業が統合された場合  買収側の企業がコントロール権を行使 -一方の企業が他方を買収し、買収側が買収以前の利益を保証するように買収後の利益を相手に分配していればwin-win ■3.不完備契約モデル 2期間,2企業の関係について考える 0期の期首:残余コントロール権の再分配の契約を行う 0期   :コントロール権を持つ企業が関係特殊投資a1,a2を行う 1期の期首:特殊投資等の生産決定に関する情報が既知に 再交渉 1期   :コントロール権を持つ企業が独立に清算決定を行う 結果   :生産活動が確定し、配分利得が実現する -a1,a2は、自分の企業内に対する投資(お互いの利益にしかならない投資) -その後一定の期間が過ぎることで全ての情報が既知になり、再交渉 -さらに独立に生産決定q1,q2を行い -最終的な生産活動φ1,φ2が決定する 仮定 (1)再交渉の時点では全ての情報が既知となり、配分利得は最適なものとなる (2)a,φ、配分利得Bは事前契約が不能(不完備契約) →いかなる所有権構造のもとで,関係特殊投資,生産活動のゆがみを最小化できるのかを考察 ■4.最適契約について B1+B2(各企業の利益)の最大化問題 シナリオ ・非統合 ・1が2を買収 ・2が1を買収 ・case1 -再交渉時点 事後利益を最大化するようにq1,q2に関する新しい契約を結ぶ 解はナッシュ交渉解→事後利益がパレート最適に導かれる ・case2 1が2を買収する 1期の生産決定q1,q2を決定する権利を持つ ・case3 2が1を買収する場合もcase2と同様 ○3つのケースの中でどれが最適な構造か 最適解に到達できるか 生産関数の形によって、非統合・統合それぞれが最適になりえる 伊:いろんな場合に無理やり当てはめるとわかったような気になる   結局ゲームということ? 羽:ゲームだとペイオフマトリックスで書くけど、今回は投資を入れて丁寧に書いている   どっちが決定するかっていう要素もゲームと違う 國:緑化条例で決めてるってのがあるけど、緑化が家賃に入ることが明示されると維持されるとか   住宅を更新するときに重要