■不確実性と情報の非対称性 不確実性とは将来起こりえる事態のいずれが実現するかについて意思決定者が知 らない状態.情報の非対称性とはある人が知っている情報を他の人は知らない状 況. ■不確実性下での意思決定 ○リスク選好 リスク選好,リスク回避,リスク中立が存在する. ポートフォリオ選択:資産配分のあり方 ・絶対的リスク回避 一定額の損失などの絶対額で決まるリスク回避度を保有資産の違いで比較するた めの概念 ・相対的リスク回避 一定割合の損失などの相対学で決まるリスク回避度を保有資産の違いで比較する ための概念 ○リスクシェアリング 不確実性に直面する複数の経済主体がいる場合,市場は不確実性自体を取引する ex)条件つき債権 ■情報の非対称性とインセンティブ 情報の非対称性を扱う分野のことを「契約理論」と呼ぶ.例えばプリンシパルと エージェントの関係を定義するもの. ○逆選択とシグナリング: 企業が私的情報の観察ができないことによって質の悪いものが市場を淘汰してし まう現象. ○次善の契約: 情報の非対称性が存在しない場合 - 期待利潤が最大かつ参加制約を等号で満たす契約を提示 情報の非対称性が存在する場合 - 誘因両立制約を満たす契約を提示→能力の低い労働者については満たされている. - θhの意味は? 労働者が提供する人的資本(労力). - 労働者の無差別曲線は何? ○事後の情報の非対称性 →モラルハザード.解決策として,結果をみて報酬を支払う. - 情報の非対称性が存在しない場合 期待利潤が最大かつ,参加制約を統合で満たす契約を提示. →決して高い労働基準を選択しない=モラルハザード - 情報の非対称性が存在する場合 高い努力水準を選んだときの期待効用が低い努力水準を選んだときの期待効用よ りも大きくなるような契約を提示. ○オークションのモデル 各個人は自分にとっての真の価値は知っているが他者はそれを知らない. 1)競り下げ式公開オークション 2)競り上げ式公開オークション 3)封印入札の1位価格オークション 4)封印入札の2位価格オークション 1,3が同じ結果,2,4が同じ結果になる. ○収入同値定理 全てのオークションについて売り手の収入が同じになる. ○プロスペクト理論 アレのパラドクス 価値関数の特性 ・増加分はリスク回避的,減少分はリスク愛好的 ・損失回避性を表現 加重関数の特性 ・低い確率を大きく,高い確率を小さく見積もる.