■ゲーム理論とは. 戦略的環境の下でどう行動するかを明らかにする. ■ゲームの種類 協力ゲーム:制度的に拘束力のある合意を結べる 非協力ゲーム:プレイヤーが提携しない.暗黙の了解はしてもよい ■ゲームの表現形式 ・戦略型ゲーム:二人以上のプレイヤーが同時に戦略を決定,利得表で表す ・展開型ゲーム:プレイヤーが交互に戦略を決める時間概念を考える,グラフ形式で表す ■戦略型ゲーム ・プレイヤーが複数の戦略を選ぶ ・他人のプレイヤーが選ぶ戦略は不明 ・自分の利得が他人の戦略に依存する 例)囚人のジレンマ(戦略C協調,戦略D裏切り) ■合理性の仮定 ・互いのプレイヤーがゲームの構造を熟知(利得構造を知る) ・各プレイヤーが合理的であるという共有知識を持つ ■支配戦略 ・相手がなにをとっても自分が得になる戦略 ・お互いが支配戦略をとったときは支配戦略均衡 ・支配戦略が存在しない場合はあり ■ナッシュ均衡 ・全プレイヤーにとって最適反応(他者のある戦略に対して,自分の利得を最大 化)となる戦略の組 ・戦略を変えるインセンティブがない(自己拘束的) ・相手の利得を下げずに自分の利得を高めることをパレート改善と呼び,パレー ト改善が不可能な解をパレート最適解という 例)両性の争い ■展開型ゲーム ・意思決定の順番を考慮できる 例:チェーンストアゲーム(相手の出店・見送りを見てから,攻撃・共存を決定する) ■情報集合 ・同一プレイヤーが存在する節で,区別できない集合 ・同じ情報集合に複数の節がある場合はどちらにいるか不明ということを示す ・戦略型ゲームであらわすことが可能だが,一意に構成できない ■部分ゲーム完全均衡 ・動学ゲームにおいて,相手の行動を確認してから対応する戦略を決定すること になり,攻撃的な選択肢は結局「カラ脅し」になる可能性がある ・そのため,ナッシュ均衡は適切な解ではなく,部分ゲーム完全均衡が解となる ・部分ゲームとは,1つの節から始まり,それ以降の節を全て含み,情報集合は 部分ゲームにより分割されない ■バックワードイントロダクション ・その解を選択して得られる利得で節を置き換え,解を探索する部分ゲーム完全均衡の解法 例)最後通牒ゲーム ・最小ゲームを考えると,応答者はどんな提案も受託する ・提案者は限りなく0に近い値か0を提案する 例)繰り返しゲーム ・ゲームを繰り返し,行う ・次期の利得は,割引因子によい割り引いた値を換算 ・戦略としては,”常に同じ戦略をとる”,”トリガー戦略(一度裏切ったら報 復をし続ける戦略)”,”順番に戦略をとる”がある. →囚人のジレンマでは,最初にCをとり,トリガー戦略をとりつづけるのは部分 ゲーム完全均衡となる.相手がトリガー戦略で,自分もトリガー戦略をとるとす ると,裏切るインセンティブがない.(注 条件として,割引因子と裏切る利得 の比較がある) ・将来利得を十分重視し,(C,C)の繰り返しが部分ゲーム完全均衡経路になる. ・有限回の繰り返しの場合は,バックワードイントロダクションから(D,D)を繰 り返しとり続けることになる.