----------------------------------- 経済学勉強会(第3章:市場均衡) 日時:7月1日(日) 場所:輪講室 担当者:浦田 参加者:國分,福山,斉藤,瀧口,伊藤, 大山,今泉,若林,植村 ----------------------------------- ●市場均衡とは ・市場メカニズム:  消費者・生産者が自分の利益を最大化するように需要・供給を市場に伝達 (1)一般均衡分析:すべての財の需要と供給が一致している状態を考える (2)部分均衡分析:特定の財の需要と供給が一致している状態を考える ●均衡 ・需要:消費者,個人需要関数,市場需要関数,逆需要関数 ・供給:生産者,個人需要関数,市場需要関数,逆需要関数 ⇒価格と取引量が一致したところが均衡になる. ●消費者余剰:価格pでx単位を購入したときと,財を購入しないときの差分 ●生産者余剰:価格pでx単位を供給したときと,財を供給しないときの差分 ⇒総余剰: 上記2つを足し合わせたもの.価格に依存せず,取引量のみ依存. 総余剰は,均衡での取引量において最大になる. ●長期の部分均衡 生産者の市場への参入・退出を考えた場合,価格・取引量・参入する生産者数は どんな水準に決まるのか?→生産者の参入・退出ありの場合を考える. ・損益分岐点より小さい:最適生産量は0であり,誰も参入しない ・損益分岐点:参入した生産者分だけ. ・損益分岐点より大きい:参入する. ●一般均衡 ・2財,消費者2人,生産技術を考慮しないと仮定する. ・消費者は,財の価格の組を所与とし,財の売買によって効用を最大化させる. パレート効率のほうに向かっていく. ●ワルラス均衡 オファーカーブと予算線の交点が消費者の最適消費計画 財の初期保有により,所得額が定義 一意に価格が決まらない.相対価格しかわからない. 定義: (a)各消費者の消費計画は,価格のとでの効用最大化問題の解 (b)すべての市場で需要と供給が等しくなっている. ・ワルラスの法則 「経済全体の財の総需要額は,経済全体の財の供給総額に恒等的に等しい」 価格がどう決まるか? 相対価格が定義される財:ニュメレール財 需要量とか供給量は絶対的には決められない.相対価格しか決まらない. ●パレート効率性 ・ある実現可能な資源配分がどんな実現可能な資源配分によってもパレート支配 されない時,その資源配分はパレート効率的であるという. ・パレート集合の点:無差別曲線が接しているところ. 限界代替率がAとBで等しい. 斉藤:一般均衡の場合,市場均衡とパレート均衡は一緒ではない.ワルラス均衡 が一意にパレート均衡になるのか? 浦田:複数ある場合のパレート均衡解の条件として,限界代替率が等しい事,2 人の無差別曲線が接してていることが条件.パレート集合のどこであっても,ワ ルラス均衡が成立している.財が一意で決まる形にはなっていない.必ずしもな らない. ●厚生経済学の第一基本定理 ・市場の普遍性の仮定 ・完全競争の仮定 →全ての財について市場が普遍的に存在し,それら全ての市場が完全に競争的な らば,ワルラス均衡が実現する資源配分は,パレート効率的である. ●生産経済 定義:価格及び資源配分は「消費者の効用最大化」「生産者の利潤最大化」「需 要と供給の一致」を満たす. ●市場の失敗 均衡資源配分が現実的な環境の下で,パレート効率的になるか. ・「市場の普遍性の仮定」→現実には市場を通じないで需要や供給が行われる財 やサービスが存在 ・「完全競争の仮定」→現実には,自動車産業など少数企業での生産体制,市場 参加者が価格支配力を持つ. これらをただすため,政府の活動・介入による市場の失敗の是正が行われる.