展開形ゲームとは、ゲームツリーK、偶然手番の確率分布p、プレイヤー分割P、情報分割U、利得関数h(t)の5つの要素によって表されるゲーム。
G=[K, p, P, U, h(t)]
各要素について説明する
ゲームの手番と行動の系列を木の形で表現するもの
プレイヤーの意思とは独立の要素をまとめて、自然というプレイヤーによる選択とよび、自然のもつ手番を偶然手番とよぶ
ツリーの分岐点の集合は各プレイヤーのもつ点の集合に分割することができ、これをプレイヤー分割という
ゲームにおけるプレイヤーが相手のとった行動を知っているか知らないかという情報の構造。ゲームツリーの分岐点の集合は各プレイヤーのもつ情報集合に分割され、この分割を情報分割と呼ぶ。情報分割はプレイヤー分割を再分割したものである。
ゲームツリーの頂点はゲーム終了時の状態を表し、そのときの利益や効用を利得ベクトルという
すべてのプレイヤーが互いにゲームの要素について知っていることを知っている状態にあることを、この展開形ゲームにおいてすべてのプレイヤーが共通認識(common knowledge)をもつという
・情報完備ゲーム
すべてのプレイヤーがゲームの要素について、共通認識をもつゲームを情報完備ゲームという
・情報不完備ゲーム
共通認識をもたないゲーム
・完全記憶
あるプレイヤーが前の手番での自分の選択を知っていて、その記憶を用いることができる
・完全情報
すべてのプレイヤーは自分の行動を決定することにあたって、自分がいまどの分岐点にいるかを知っている
・行動計画…相手がBならS,SならBといったふうに、それぞれの情報集合に到達したときにSかBかのいずれかの行動を選択すること
・局所純戦略…ある情報集合でどういう行動をとるかを指定した行動計画
・展開形ゲームの戦略形ゲームへの縮約
ゲームの展開形は非常に大きな形となることが多いので、純戦略をつくることによって、戦略形に縮約して考えることが多い。
・均衡経路の確定性
各プレイヤーが均衡点によって示された均衡戦略を用いたときに得られる底点oから頂点までの経路を均衡経路という
完全情報ゲームでは逆戻り推論法によって常に均衡点を求めることができる。その均衡点は純戦略での均衡点である。偶然手番も含めて、次の定理が成り立つ。
完全情報をもつ有限展開型n人ゲームでは純戦略による均衡点が存在する
偶然手番がなく、情報構造が完全記憶であるゲームが与えられたとき、利得の如何にかかわらず、純戦略での均衡点が存在するための必要十分条件は、情報構造が完全情報であることである。
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