破産問題

1.破産問題の定式化

ユダヤ教の教典タルムードにおける興味深い議論

3人の債権者がいて、債権額がそれぞれ100、200、300であり、遺産額が100、200、300の場合、どのように遺産を配分するかという問題に対し、遺産100の場合は3/100, 3/100, 3/100、遺産200の場合は50, 75, 75、遺産300のときは50, 100, 150と記載されていた。均等配分であったり、比例配分であったりとこの分割に共通した原理がなんであるのかがよくわからなかった。

近年になって、オーマンがこのルールは提携形ゲームの仁であることを明らかにした。これはゲーム理論的考え方が紀元400~500年頃には既に行われていることを意味し、非常に驚くべきことである。


2.CG法

ミシュナにおける破れた衣服の原理

2人が服を掴んでいて、一人は全部を要求し、もう一人は半分を要求している。この場合、前者には3/4を後者には1/4が与えられるべきである、とミシュナに書かれている。

この考えからは残余均等配分の考え方である

オーマン/マッシラーはこの原理を破れた衣服の原理(The Contested Garment prnciple)とよんでいる。

3.破産問題の提携形ゲーム

冒頭の破産問題は提携形ゲームとして表現でき、最低保証額として典型的なフォンノイマン/モルゲンシュテルン型特性関数を考えると、破産問題のCG法は提携形ゲームの仁である。

また、破産問題を提携形ゲームとして定式化すると、シャープレイ値やτ値による遺産配分法も考えることができる。


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